ショコラ

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翌朝、私は今日も少し早めに出勤する。





目的は、いつも早めに会社へやって来る
先輩の姿を拝むため。





とは言っても昨日告白したばかりだ。
メンタルの強い私でも少しは緊張する。




・・・ていうか、
昨日はちゃんと返事を貰えなかったな。




いつもはすぐに断られてたけど今回は、




“葉山、それ明日でもいい？”




頷くことしか出来ない私に
先輩は姿を消した。







何か急ぎの用事でもあったのかな？
私はいつでもポジティブ。
それが私のいいところじゃん！！


勝手に回想を繰り広げ
あっという間に会社に辿り着いた。







·







あれ？なんか甘い香りがする。
これは····もしかしてっ、





「・・・っあ、せんぱ！！！」





向かい側のエレベータで
締まり掛けのドアの隙間から見えた姿に
私はやっぱり反応した。





それに気づい様子の先輩は
慌ててボタンを連打し
私がやってくるのを待っている。





「·····すみませっ、
ありがとうございますっ！······っう」


「はは、落ち着いて。
そんなに走らなくても開けれたのに」





ドアが閉まった瞬間、
先輩は優しく私の背中をさすり
乱れていた呼吸を一瞬にして直してくれた。






「·····だいぶ落ち着きました。
もう大丈夫です、ありが

「葉山」






「・・・っえ、はい！？」





ぱっと顔をあげれば、
先輩の顔が目の前にある。







「今日、定時で上がれる？」






ことん、と首を傾げて
私を見つめる先輩の目は
私が大好きでたまらなかったあの先輩のお目目。







「・・・はいっ、多分だいじょ········
いやっ、必ず終わらせて見せます！！」







必死になる私に、
くくっと笑えば





「助かる。がんばれよ」





ポン、と頭に手を置いてから
先輩は目的の階で降りていった。





「·······おそるべしっ、」




先輩はひどい人だ。


私の気持ちを知っていて
こんなことをするのは思わせぶりだと思う。





それでも、私はこれで
仕事のやる気が半端なく上がること間違いなしだし、
自分では受け止めきれないほど
胸がきゅぅぅぅってなって、
また好きが溢れるに決まってる。







先輩・・・やっぱりだいすきですっ、

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