ショコラ

先輩は彼氏【T】 ページ1

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「ねぇ、先輩歩くの早いんですけど········、」


「あ？お前か遅いだけだろ。」





歩くペースすら合わせてくれないし、
そもそも世界は自分中心で回っているとでも
思っているのだろうか。この人は。





「お前、昼何食いたい？」



「えっ？じゃあっ、パスタとか



「おし、ラーメンだな。おけおけ。」



「·····先輩、ふざけてます？」






今日も振り回され続けて、
結局はずーずー麺を吸っている今に至る。







大学2年の私と、大学4年の先輩。





2年しか変わらないって話かもしれないけど、
私は先輩の精神年齢は小学生だと思ってる。





“Aちゃんって言うんだ。
よろしくね。何か分からないことがあったら
なんでも俺に聞いて？”






今でも覚えてる。

人見知りの私がサークルに入った時、
救いの手を差し伸べてくれた先輩。






初めて会った時は
ものすごく優しくて、気が使えて。
こんな天使いるんだ·····なんて思ってた。


そんな天使にまさかの告白を受け、
もちろん秒で頷いたが、
付き合ってからはこの有様。







私は生まれて初めて
こんなにも激しい二重人格を知った。







もう付き合って半年にもなるが、
以外にもハグもキスもしてこない。
もちろんその先のことも。

もしかして、先輩。
私のことペットだと思ってる・・・？





そう言えば先輩といつも一緒にいる
宮田先輩が言ってた。






“俺は玉の忠実なペットなんだよね〜”






軽々しく、そして何より嬉しそうに
そう言っていたのを引きながら聞いていたこと、
今思い出したらぴったりとハマってしまう。

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