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「うわ、さむ」
いつの間にかコートを身にまとって、
さむいね〜、なんて可愛らしく笑っている先輩に
一瞬だけさっきまでのことを忘れそうになる。
「·······ごちそうさまですっ、」
「いいよ、そんなの」
この後また沈黙が続くと、
一瞬だけ力が抜けていた身体に
また緊張が走って何も言えなくなる。
だから、今朝までのことを思い出した。
今日告白しようとしていたこと。
ずっと北山さんに相談してきたことを
今実らせるチャンスがきたこと。
いつの間にか始まっていた
藤ヶ谷さんに思いを寄せる日々に、
ちゃんとけじめをつけなければいけないこと。
今伝えたら、
きっと私は幸せになれる。
昔の私では想像もつかなかった今の状態。
「········藤ヶ谷さん、」
「ん?」
・・・・ちゃんと、伝えるんだ。
今までの気持ちを。
「·········好き、です」
ちゃんと言えた。
それでもやっぱり反応が気になって、
勢いで瞑ってしまっていた目を開けると
藤ヶ谷さんは悲しそうに微笑んだ。
·
「·······嘘つき」
私に返事も与えさせないまま
ぐっと力強く抱きしめられると、
急に力が抜かれて
優しく包み込まれる私の身体。
「······ごめん、我慢出来なかった。
ちょっとだけいい?」
耳元に届く愛くるしい声に、
こくっと静かに頷くと
ゆっくり腰に回される先輩の手。
全然ちょっとじゃなくて、
しばらくの間は先輩の香りに包まれてる。
「············離したくなくなる」
その言葉と同時に
またきゅっと締め付けられると、
そっと離された先輩の身体。
「······Aの瞳には
北山が映ってるんだよ」
のぞき込むように私の目を見つめれば、
ほら、ってまた悲しそうに微笑むの。
「·····Aさぁ、本当に鈍いよね」
「·····え?」
「知ってた?俺よりも、
Aの近くにいる人が
一番Aのことを想ってるんだよ?」
“近く”
その言葉に
一瞬にして北山さんの顔が浮かんだ。
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あい(プロフ) - りなさん» はじめまして、コメントありがとうございます^^きゅんきゅんしていただけましたか!一番嬉しいお言葉です(笑)続編もupさせていただきましたので、是非そちらでもお待ちしております☆ (2018年5月21日 1時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 続編楽しみです!きゅんきゅんです! (2018年5月21日 0時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はちみつさん» ・・え?はちみつさん?こちらこそいつも小説読ませてもらってますっ!いきなりの登場でびっくりです・・(笑)私もこのお話の北山さん大好きなんですよね〜、もどかしいんですけどリア恋はやっぱり北山さんが一番似合うなと思って妄想が止まりませんでした(北山担) (2018年5月20日 11時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは^^*小説読ませてもらってコメントしてしまいました( ´ ▽ ` )俺が好きでしょみっくん、気持ち分かります!近くにいるリア恋すぎてね、なかなか好きって気付けないんだけど何だかんだで北山さんが一番なんです!(北山担の意見笑)またキュン作品待ってます♪ (2018年5月20日 9時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - mokaさん» mokaさん、またまたありがとうございます!こんな風に優しすぎて胸が苦しくなるほどの彼氏いませんかね(いない)玉森さんの年下設定なら、私の作品で既に書いているので、多分一番書きやすいかと思います(笑)またまたお時間いただきますが、ぜひお待ち下さい^^ (2018年3月21日 22時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年2月27日 1時