ショコラ

女らしさということ【K】 ページ17

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「お前、色気足んねぇわ」




ある日突然言われた言葉。
その一言だけのために、
私は毎日悩んで悩んで考え尽くす。




背もちっさくで子供みたいな私にとっては
とても重大な問題だ。
真面目に、一度受け止めてみることに。





「ねぇ、みっくんが思う色気ってなに·····？」





ある日、テレビを見ながら
ソファーでくつろぐみっくんの横に飛び込んで、
ずっと気になっていることを尋ねてみた。




これで帰ってきた答えを参考に、
私も色気漂う素敵な女性になってやるんだ。





「んっとね、」


「うんうんっ」


「出てるとこが出てて、
なによりシたいって欲望を沸き立たせるような
オーラを自然に出してるやつ」


「····最低」







みっくんに聞いた私が馬鹿だった。

出るとこ出てなくて
最近ご無沙汰になってるように
オーラを出せない彼女ですみませんね。




人事みたいにそんなことを言うみっくんは、
色気がダダ漏れだった。それが余計に悔しい。




「私は、色気ない·····？」


「そだね」


「どんなとこが···？」


「まず胸がちっさい。
あと子供っぽい。ばか。あほ。」



それって悪口ですよね。
さすがに傷つくんですけど。
泣きそうなのは、みっくんのせいだからね？







「······色気ダダ漏れ野郎っ！！
大っ嫌いだぁぁ！！っうわぁぁぁぁん」




泣いたけど。






こんなことで泣く彼女でごめんなさい。
こんなことで挫けるんじゃなくて、
もっと魅力的な女性になろうと
努力しようと出来ない彼女でごめんなさい。






もっと、みっくんに相応しくなろうと
頑張れない彼女でごめんなさい。









「·······ばーか」




後からふわっと抱きしめられた時に香ったのは、
私が大好きで大好きで堪らない人の香りだった。

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