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「ちゃんと暖まってんじゃん。」
「玉森様からのご命令ですからねぇ。」
どんどん近づく足音に比例するように、
私の心臓もバクバクと音をたてている。
・・・・入ってくるっ。
咄嗟に目をぎゅっと瞑っちゃったのに、
「玉森、」
「なに?」
「ちょっと止まって。」
「止まってるけど。」
ドアの向こう側で繰り広げられる会話は、
まるで “Aさん、聞いてて。”って
ニカちゃんに言われているようだった。
「····あのさ、一個聞きたいんだけど。」
「それ入ってからじゃダメなの?」
「だめだからここで聞いて。」
私は呼吸すら抑えるように身を潜めて、
ただただ身体が熱くなっていくだけ。
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「玉森さ、Aさんどうする気?」
「······なんで今聞くんだよ。」
“早く言えって”
ニカちゃんは煽ってるけど、
正直私はあまり聞きたくない。
返事がもしも残酷なものだったら、
もう、上手く生活していける自信がなかったから。
「······どうって、」
「ずっとこの状態でいる気?
俺、この部屋ずっとはいさせないからね。
ちゃんと意思表示をしてもらわないと。」
自分の心臓が聞こえるほど
沈黙は長く続いて、
それを打ち切るかのように、
ニカちゃんはため息を吐いた。
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「·······じれったいわ。」
「何だよ····、」
「じれったい!!もどかしい!!
もういいわ!!このままじゃずっとこれでしょ!?」
「ちょっ、そんな声荒らげんなって。」
「早く話し合って。じゃないと
俺もう嫌だわ。二人がこんな風になるの。
二人ともなんでちゃんと好きなのに
こんなにすれ違わなきゃいけないの?」
「·······分かったから、悪かったって。」
「じゃあ早く話し合って。
Aさん、そこにいるから。」
「·····は?」
「Aさん、玉森帰ってきたよ。」
ガチャんって勢いよく開けられたドアの向こうには、
私と同じく
ただ見つめることしか出来ない
何とも言えない表情の裕太がいた。
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あい(プロフ) - たまことさん» いえいえ!こちらこそ意見をいただけて嬉しいです^ ^私の作品は結構そういうシーンになりそうなところが多いので、なんだか書けそうですね・・・・(笑)この続編が終わって余裕がありそうでしたら、書いてみようと思います。ありがとうございました。 (2018年2月21日 15時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 無料→× 無理→〇 (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - コメントありがとうございます!そうだったんですね…!無料言わせてすみません汗 それなのに検討してくださってありがとうございます!更新頑張ってください! (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - たまことさん» コメントありがとうございます。そういう描写はあまり得意ではなくて、避けてきたんですけど・・・・たまことさんのお気持ちを受け止めつつ、挑戦してみようかな?どうなるかは分かりませんが前向きに検討してみます!ありがとうございました^ ^ (2018年2月20日 22時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 更新お疲れ様です!裕太くんとの関係もこれからどうなっていくのか気になります!出来たらなんですが主役ちゃんと裕太くんのpinkストーリーは作ることはできないですか?もしもでいいので考えていただければと思います!更新&返事待ってます (2018年2月20日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年2月19日 23時