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「北山さんっ、それ
・・・裕太には伝えていただけました?」
このことを知ったら嫌がるに決まってる。
もし許すとしてもいい気はしないだろう。
「あー、伝えてねぇ」
ごめんごめん、って
軽く両手を合わせて片目だけ開いたまま
私の反応をちらちらと伺ってくる北山さん。
絶対に面白がって呼んだに決まってる。
だって、知ってるでしょ?
太輔が私の元カレだってこと。
・・・確信犯め。
「あ、噂をすれば」
北山さんの手元から
聞き慣れた着信音が鳴り響くと
楽しそうに見せつけられた画面には
“ 藤ヶ谷 ”の文字。
「あー、そうそう。
そこ曲がって真っ直ぐ行ったら···、
あ、見えた見えた。手振るわ」
遠くに向かって大きく手を振る北山さん。
その仕草の先にはもちろん、
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「この辺あんま来ないから
めっちゃ迷ったじゃん」
仕事終わりの着崩されたスーツに、
少し外されたシャツのボタン。
この時間にしては爽やかすぎる笑顔。
「あれ、藤ヶ谷汗かいてね?」
·
「・・・急いだの」
・・・なにそれ、
真剣な顔で呼吸を乱している姿に
不覚にも胸がきゅっと締め付けらたし。
「・・・大丈夫?」
優しい声で、
本当に心配そうに私を見つめるから、
私だってぼーっとしちゃって
次の返事に言葉が詰まる。
「なんか、焦点合ってないよ?」
「・・そう、ですか?」
「なんか目がとろんってしてる」
こんな感じ、って
ふにゃっと笑ってみせる姿が
なんかもう愛おしくって、
キュンとしてしまっている自分に
罪悪感を感じながらも心が温まった気がした。
「んじゃ、藤ヶ谷よろしくな」
「ん、行こっか」
「あっ、はいっ、」
くるりと背中を向けた太輔に
ついて行こうとすると
ふいに肩を引き寄せられて
私の耳に近づいた北山さんの顔。
·
“────元カレ、優しいね? ”
·
「あれ、A?どうかした?」
「な、んでもないですっ!行きましょっ!」
「・・そ?」
不思議そうに振り返る太輔を横目に、
ジロリと北山さんに睨み返すと
またけらけらと北山さんは笑った。
まるで顔を赤らめる私を
バカにするかのように。
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あい(プロフ) - たまことさん» いえいえ!こちらこそ意見をいただけて嬉しいです^ ^私の作品は結構そういうシーンになりそうなところが多いので、なんだか書けそうですね・・・・(笑)この続編が終わって余裕がありそうでしたら、書いてみようと思います。ありがとうございました。 (2018年2月21日 15時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 無料→× 無理→〇 (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - コメントありがとうございます!そうだったんですね…!無料言わせてすみません汗 それなのに検討してくださってありがとうございます!更新頑張ってください! (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - たまことさん» コメントありがとうございます。そういう描写はあまり得意ではなくて、避けてきたんですけど・・・・たまことさんのお気持ちを受け止めつつ、挑戦してみようかな?どうなるかは分かりませんが前向きに検討してみます!ありがとうございました^ ^ (2018年2月20日 22時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 更新お疲れ様です!裕太くんとの関係もこれからどうなっていくのか気になります!出来たらなんですが主役ちゃんと裕太くんのpinkストーリーは作ることはできないですか?もしもでいいので考えていただければと思います!更新&返事待ってます (2018年2月20日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年2月19日 23時