先輩と後輩。after story.2

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「それに、ちょっとでも長く
Aと一緒にいたいし・・・だめ？」






こういう時だけうさぎみたいな目をして
静かに見つめてくるからほんとずるい。
不覚にもきゅんってなっちゃったじゃん。





「・・・・・だめ、じゃない」


「ふふん、でしょ？」





満足気な顔して、
おいでって手を広げられる。





「······眠くなる、」


「え？ここで寝るのはやめてよ？笑」






裕太の素肌に触れると
自然と目もとろんとしてきちゃって、
安心感と気持ちよさとで
そろそろ限界がきそう。


っていうか、また筋肉ついた？
抱きしめられるとすごい分かる。







「あっ、待って。
見せたいものあったんだった」




“寝ちゃダメだよ？”




そう一言置いた裕太は、
せかせかとリビングに姿を消した。

見せたいものってなんだろう。
もう一度ベッドに腰を下ろして、
ぼーっとしながら待っていた。






「よかったー、寝てない」


「寝ないよ、気になるもん」





私の横に腰を下ろすと、
何やら後ろでごそそしごて
悪戯な顔をしてる裕太。

そしたらいきなり
じゃーん！！って目の前に広げられる紙。








「・・・花火大会？」



「そう、しかも名前見て。
どこかで見たことない？」





パッと見よく分からなかったけど、
もう一度上から読み直す。






「····あっ、ここ去年行ったところだ！！」


「せいかーい」





ものすごく覚えてる。
あの時はまだ付き合っていなかった裕太と
二人で見に行った花火。

結構思い出深い場所だったから、
今でも覚えてることがたくさんある。







「·····今年も行かない？」



「······行きたい、」



「じゃあ行こ、決定ー」






また夏の思い出が増えるんだ。
しかも、去年とはまた違う。
だって今はデートになるんだから。


私は元々イベント事に
全く興味のないタイプだったけど、
今では裕太といられるならって
昔よりも楽しめるようになったし。







「あーたのしみ」





瞼が落ちる少し前まで、
隣で幸せそうにそう呟く裕太に
私も自然と微笑み返していた。

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