先輩と後輩。after story.2

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「結婚祝いどうしよっか」






ぷらーっと買い物を済ませた私たちは
ショッピングモールの中にあるカフェにやってきた。


甘そうなキャラメルラテを
スプーンでくるくるって混ぜながら
裕太まで頬を緩ませ甘い顔になってる。






「二人ともお酒とかよく飲んでるし、
ペアグラスとかは····？」



「それいいじゃん、絶対喜ぶよ」



「じゃあ後で買いに行こっか」







よく飲んでるイメージ強いしね。
二人とも大体は仕事終わりに飲みに行ってる。


そんなお酒に強い二人とは真逆に、
彼はキャラメルラテを目を垂らしながら飲んだ後
急に私のコーヒーをじっと見つめてきた。







「A、そのコーヒーひと口ちょーだい」



「え？これエスプレッソだよ？」



「うん、分かってる。
ちょっと飲んでみたいんだよね。もしかしたら
俺飲めるかもしんないじゃん」









心配になりながらも
まだたくさん残っているマグカップを渡すと、
すぐにふーふーって唇を尖らせ始めた。






「かわいいね」




つい、ぽろっと。




もちろん裕太はものすごく嫌そうな顔になって
“可愛くないわ！”ってお決まりの言葉を投げかけてたけど。




「····どう？」




ずずって小さく口に含むと、
途端に歪み出す裕太の顔。







「········まじい」







だよね。
裕太にはまだ早いよね。


やっぱり、裕太は可愛かった。
コーヒーを冷ます時の唇も、
ぷるっとふっくらとしていて
とにかく母性の塊って感じで、







「·······可愛いよ」




お買い物の帰り道、
裕太曰くこれはデートならしくて
しっかり手を絡め距離を縮めて帰りながら、
私は本人を前に、ついに言ってしまった。




「·····は？」



裕太は可愛いって私に言われるのが
とにかく嫌いならしい。

眉間に皺を寄せたことで、
さっきまでのふにゃっとした可愛い顔は
一瞬にして消えてしまったし、








「そんなこと言うんだったら、
今夜、男ってこと見せつけるからね」









満更でもない顔でまた前を向く彼に、
私は頬が緩みっぱなしだった。

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