先輩と後輩。after story.2

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壁にもたれかかるように
私を待っている太輔。

私の気配に気づいて
すぐに微笑む太輔。

すぐに携帯をポケットにしまう
紳士で気が遣える太輔。





「·······お待たせしましたっ」


「ん、行こ？」





やっぱり、気まずさなんて
打ち消すような太輔の仕草。

朝のエレベータの気まずさは
どこに行っんだろうって思うほど
太輔は清々しい顔をしてる。






「何食いたい？········何見てるんだよ。」



「ん〜、綺麗な顔してるなって思って。」



「なんだよそれ。」





横で並んでるから特に分かる。
すらっとした鼻。ほんと、
太輔って歌舞伎のメイクとか
ものすごい似合っちゃうんだろうなって
いつも思っちゃう。


その切れ長なつり目も、
シュッとした輪郭も、
全てが整っていて。太輔の子供はきっと
ものすごいイケメンになるんだろうなって想像出来るよ。





「はい、俺の顔鑑賞すんの終わり。
ちゃんとお腹空いてる？」


「空いてますっ」


「じゃあ、めっちゃ美味しい
ハンバーガー屋さん。行かない？」






その、めっちゃ。ってやつ。
めっちゃなんて言われたらさ、





「·······行きたいですっ、」




行かざる得ないよね。








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「······おいしいっ·····、」



「だな。」






二人で目を見開いて、
何も言わずにこくこくと頷く。





「········ボリュームもあるし、
食べてて満足感がすごい······っ」



「一般人越えの食欲だから、
Aには丁度いいなって思って。」



「なにそれ······、」



「はは、でもいいことじゃん。
いっぱい食べる子は可愛いよ。」






ご馳走様でした。って
ちゃんと手を合わせた頃には、
今度は裕太を誘って来てみたいなって
勝手にわくわくしちゃってる。





「A、」


「·····なに？」







「今日は付き合ってくれてありがとう。」






一瞬、少し歪んだ笑顔を
私は見逃さなかった。


きっと、太輔なりに
何か決心したんだよね。


だって、顔に出てるよ·····？
伝えたいことがあるって。








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