先輩と後輩。after story.2

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「意味わかんないんだけど········、」





苦しそうに、
泣いたように笑って、


裕太は何も発することなく
部屋から出て行ってしまった。






きっと、呆れてた。
もう言うこともないんだ、きっと。
だから最後まで怒ることも出来ずに
笑ってたんだ、裕太は。


怒りを通り越して、呆れる。········か。






「・・・・失礼しますっ、」





裕太の背中を追いかけるように
この部屋を後にした優香ちゃんも。
最後の最後には頑張ってくださいって
私の背中を押してくれたのに。


悲しませちゃったかな。
巻き込んじゃった。







「······A、」




でも、それは太輔もだった。
苦しいのは、太輔も。







「ごめん、卑怯な手使っちゃって。」






何回太輔に謝らせたら
私は気が済むのだろう。



なんで、もっと上手くいかないんだろうな。
お互い想い合っていても、
合っていなくても。



ぐちゃぐちゃに入り乱された
私たちの関係は、
なんで遠回りばかりしてしまうんだろう。









「私のせいなのに、
迷惑かけちゃってごめんなさい········。
太輔は何にも悪くないから、
そんな顔しないで········？」




もうすぐお昼休憩も終わりだ。
みんな帰ってくるし、
仕事、頑張らなきゃね。







「・・・もうすぐ会議じゃない？
あの資料、裕太が持ってるんだった。
私ちょっと貰ってく───っ、





ドアノブに手をかけようとした私を、
力いっぱい太輔は抱きしめてきた。






「···········行くなって。俺が貰いに行くから。」





ごめんね。
あの太輔すら、今抱きしめている手が震えてる。






「···········いいよっ、私が


「俺じゃだめ？」


「······っ、」


「無理しないでよ。そんな笑顔好きじゃないって。
Aが苦しむんだったら、
俺が引き取るって、昔言っただろ？」







「引き取るって······子供じゃないよ。」


「俺、今日から本気出していい？」


「······それは、」


「Aは何もしなくていいから。」







ぽんぽんって優しく頭に手を置かれて、
太輔は裕太の元へ向かった。

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