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──────・・・・・
「おはようございます、」
あれから日曜に散々泣き崩れて、
また新しい一週間が始まった。
もちろん心体共にボロボロだけど、
仕事はそれなりにこなした。
プライベートと仕事はちゃんと分けたかったから、
支障をきたさないようにと
出来るだけ心を鬼にして努力した。
それでも、宏光とはデスクが隣同士だし
嫌でも業務上の会話はしなくてはならなくて、
あっちもあっちで
涼し気な顔して私と接してくるから
頭の中に私はいないんだって、
何故か私から突き放したくせに
私の方が全然忘れられていなかった。
·
「A、帰ろ」
定時が過ぎた頃、
肩をぽんっと叩かれて振り向けば
既に鞄を持った太輔の顔が覗いた。
なんだか少し気まずくて
ちゃんといつも通りに出来ない気がして、
「····もうちょっと、
仕事進めとこうかなって」
「でも今日の分は終わったんでしょ?」
「····うん、」
そしたらふわっと微笑んで、
軽く私の腕を引っ張った。
「じゃあもう頑張らなくていい、帰るよ?」
何も言わせないような
太輔の小さな圧力に負けて、
結局は外に向かう太輔の背中を追いかけてる。
·
「別に無理しなくてもいいのに」
帰り道、もう秋に近づいて
暗くなる時間が早くなり
あー夏が終わるんだ。なんて考えていたら、
横からポソっと呟く声が聞こえて
思わず顔を上げた。
「別に気使わなくてもいいのに。
返事答えられないのに
中途半端にして悪いなぁとか思ってる?」
じーっと見つめられると
全てを見透かされているよう少しこそばゆい。
それに気が付いたのか
太輔も自慢げに微笑んだ後
ぎゅっと私の右手を握り込んだ。
「·····Aは自分と一緒にいるだけで
辛い思いをさせているかもしれない、
って考えてるかもしれない。
確かに辛い、好きなんだから辛いのは当たり前」
泣きそうになる私の頭を
優しく撫でながら、
それはそれは愛しそうな目で見つめた。
「でもね、それを越すぐらい
俺は今Aと一緒にいられて幸せなの」
こんなに愛されていいのだろうか。
こんなにも素敵な人の気持ちを
私が独占してしまってもいいのだろうか。
少し罪悪感も混ざって複雑な気持ちになる。
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あゆ(プロフ) - すごくよかったです!!先輩と後輩のパスワード教えていただくことってできますか? (2019年10月16日 14時) (レス) id: 4e0821302c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - たちょんさん» はじめまして!いつも楽しみにしていただけているなんて、とても光栄です(*´∇`*)それなのに更新頻度が滞ってしまい申し訳ないです(´;ω;`)これからも北山さん、頑張りますので(作者はこじらせるつもりですが笑)最後まで温かく見守っていただけると嬉しいです^^ (2018年9月24日 18時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
しょーみつしょ。(プロフ) - あいさん» いえいえ(^^) 本日中に移行されるんですね! 楽しみすぎてニヤけます笑 (( そうなんですよ、ひっそり書いてました笑 タイミングよく見つけて頂いたなんて光栄です笑 これからもよろしくお願いします(*´∀`) (2018年9月24日 17時) (レス) id: f9dd1382d4 (このIDを非表示/違反報告)
たちょん(プロフ) - あいさん、はじめまして!陰ながらいつも読ませていただいておりました!私、このお話大好きで!いつも更新されていないか確認するほどで!!北山さん素直になって!!と思いながら応援しております^^笑 これからも楽しみにしているので、無理なく頑張って下さい!! (2018年9月24日 17時) (レス) id: 79ef55ee6d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - しょーみつしょ。さん» ・・・っていうか!先程見つけたんですが、しょーみつしょ。さんお話書かれてますよねっ?タイミングよく見つけてしまいました(笑)なんだか知ってる名前だなぁとは思ってたんですけど・・・(*´∇`*)笑。またそちらにもおじゃまさせていただきますね! (2018年9月24日 16時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2017年9月9日 10時