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「あっちー、」
ダラダラと汗を垂らしながら、
まだまだ初夏だというのに
突き刺さるような日差しに参っている宏光。
宏光お目当てのジェットコースターは、
土曜日ということもあって
入口が見えないほど行列になっている。
「私、うちわ持ってきたよ?」
「まじ?やるじゃん」
「あと、首に巻くと気持ちいい保冷剤と、
タオルもあるから使っていいよっ」
楽しみにしてたんだもん。
大体のことは、頭でシュミレーション済み。
「ふーん、結構使えんのな」
「·······え?それどういう
「開始早々喧嘩かお前ら」
ペシって軽く頭をしばかれて、
太輔を見ると怒っているようで口元は緩んでいた。
「Aと北山は犬猿の仲だったもんな」
私と宏光を見比べて、
何かを思い出したかのようにふっと笑ってる。
ギラギラと照らす太陽にも負けず
宏光と太輔は今日も眩しくて、
私もこんな二人と一緒にいるだけで
昔の空間にいるみたいで楽しいんだ。
·
·
「大丈夫、A」
「······大丈夫って言いたいんだけど、」
出口ゲートの近くにあったベンチに
私はなだれ込むように寝そべった。
苦しむ私にとりあえず背中をさすってくる宏光と、
私のカバンから保冷剤を取り出して
ハンカチを巻いたものを首に当ててくれる太輔。
こういうのにもそれぞれ個性が出る。
「お前、絶叫苦手だったっけ」
「·····覚えてない」
「年のせいじゃない?」
「······太輔、それ禁句」
「あー、ごめんごめん」
昔は何ともなかったのになって、
時の流れを感じながら
何も考えずにただぼんやりと青い空を眺めた。
押し寄せる気持ち悪さも
二人の手によって何とか回復して、
もう大丈夫だよって言っても
なぜか全然解放してくれない二人。
「·······過保護かっ!」
まだ首に当てられている保冷剤を
どかしてついポロッと。
「別に、ちょっと気分悪くなっただけだよ?
もう大丈夫だからそろそろ回らない?」
そもそも自分のせいなんだけど、
うんともすんとも言わない二人の手を取って
私はその場を離れるように走り出した。
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あゆ(プロフ) - すごくよかったです!!先輩と後輩のパスワード教えていただくことってできますか? (2019年10月16日 14時) (レス) id: 4e0821302c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - たちょんさん» はじめまして!いつも楽しみにしていただけているなんて、とても光栄です(*´∇`*)それなのに更新頻度が滞ってしまい申し訳ないです(´;ω;`)これからも北山さん、頑張りますので(作者はこじらせるつもりですが笑)最後まで温かく見守っていただけると嬉しいです^^ (2018年9月24日 18時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
しょーみつしょ。(プロフ) - あいさん» いえいえ(^^) 本日中に移行されるんですね! 楽しみすぎてニヤけます笑 (( そうなんですよ、ひっそり書いてました笑 タイミングよく見つけて頂いたなんて光栄です笑 これからもよろしくお願いします(*´∀`) (2018年9月24日 17時) (レス) id: f9dd1382d4 (このIDを非表示/違反報告)
たちょん(プロフ) - あいさん、はじめまして!陰ながらいつも読ませていただいておりました!私、このお話大好きで!いつも更新されていないか確認するほどで!!北山さん素直になって!!と思いながら応援しております^^笑 これからも楽しみにしているので、無理なく頑張って下さい!! (2018年9月24日 17時) (レス) id: 79ef55ee6d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - しょーみつしょ。さん» ・・・っていうか!先程見つけたんですが、しょーみつしょ。さんお話書かれてますよねっ?タイミングよく見つけてしまいました(笑)なんだか知ってる名前だなぁとは思ってたんですけど・・・(*´∇`*)笑。またそちらにもおじゃまさせていただきますね! (2018年9月24日 16時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2017年9月9日 10時