検索窓
今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:420,650 hit

47 ページ47

「久しぶりに花火見たよ·······」





本当に玉森くんの言う通りで、
目の前には手が届くんじゃないかって言うぐらいに近くてきれいな花火が見える。





本当に久しぶりで言葉にならない何かがこみ上げてくるのが分かって、思わず泣きそうになった。





「··········俺も二年ぶりっすわ。」



「まだ言うか。」





そのまま何分かお互い喋らなくなるぐらい花火に夢中になって、






ピロンっ






玉森くんのLINEの音でやっと現実に戻される。








「また二階堂からなんですけど。」


「大体中身分かるよね。」


そのまま二人して画面を覗き込むと、








〉まき先輩の彼氏が迎えに来た。

〉俺ぼっち。

〉今すぐたこ焼き屋の前に来い。






「あらら。」


「これは告白する前に勝手に振られたパターンですね。」






そのまま
“ 面白いから行くのやめます?

ってニヤニヤしてる悪魔。





「それはだめだ。笑 行こっか。」







そう言ってベンチを立とうとすると、
またあの時みたいに腕を優しく引っ張られる。





「············あとちょっとだけ。」









玉森くんの手によってまた私はベンチに戻されちゃって。

さっきよりも距離は近いまま。








「先輩、今日で俺のこと好きになりました?」


「えっ·······?」


「ほら、夜の二人きりマジックですよ。」







さらっとそういうことを言う玉森くんに思わず吹き出しそうになる。







「··········まだだね。」


「しぶといですね。」







目の前にはこんなにもカッコイイ人がいて、
それに私のことを想ってくれている。



なのに好きになれないのは、




やっぱり藤ヶ谷さんのことが好きだから?





こうやって話してても、





藤ヶ谷さんと花火見てみたいな。とか

藤ヶ谷さんは浴衣きたら絶対似合うよな。とか

どんな顔をして花火を見るんだろう、とか


全て藤ヶ谷さんに当てはめてしまって。
やっぱり気持ちは変わらないまま。






「ここで好きになったって言われたらそのまま抱きしめてたんですけどね。」



「·········だめだからね。」









そのまま二人して立ち上がって、
二階堂くんの待つたこ焼き屋さんに向かった

48→←46



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (283 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
966人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あい(プロフ) - toomさん» はじめまして。コメントありがとうございます!私も先輩と結ばれてほしいのですがまだまだ後輩ちゃんの攻めも書こうと思うのでぜひたのしみにしていてくださいね! (2017年8月2日 1時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
toom(プロフ) - あいさん初めまして。大好きな藤玉のオフィス系のお話、はまってしまいました!できれば先輩とハッピーエンドになって欲しいけど、ガンガン攻めてくる玉も見たいし(笑)とにかくこれからの展開が楽しみで仕方ありません!お話の続き、待っています(//∇//) (2017年8月1日 22時) (レス) id: c53d81cc85 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2017年7月9日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。