先輩と後輩。

19 ページ19

「A、行くよー」



「あっ、ちょっと待ってっ········」







今日の歓迎会は仕事が終わった人から集まっていく感じで、事前に藤ヶ谷さんが決めた居酒屋が集合場所。







私もまきも仕事が終わって、
今からタクシーに乗ろうとしてるんだけど








私のメイク直しのせいでまきを待たせている状態。






「ねぇ、A。メイク直しする必要ある？」




「だって藤ヶ谷さんと話すかもしれないじゃん········？」





そうやって反論すると






‘‘女子かっ！’’って突っ込まれて







「女子だわぁぁぁぁぁぁぁ！」






思わず声を出す。









「ほんと恋する乙女だわ〜」


「そーゆうまきだってー·········」


「みっくん？」


「うん」






私がふてくされながら首を振ると
‘‘もう恋してる感覚はないよ’’って笑うまき。







確かに北山さんとまきはもう付き合って五年目で。恋人と言うよりは何でも言い合える家族みたいな感じ。








でもその方が結婚したらいい感じになると思うんだよなぁ·······







「まぁAも頑張れっ！」



「人事みたいに·······」






そう私がギロリと睨むと
‘‘さぁ、今から藤ヶ谷さんに会えるよ！’’






って藤ヶ谷さんを使う。






そのままリップを塗り直してから、





私達はタクシーに乗り込んだ。

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す