先輩の好きなとこ。

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「いいいっ、いやですよっ！！」





ぶんぶん首を横に振りまくる私に、
首もげちゃうよって頭を押さえつける先輩。





「いやです······っ、
離れても大丈夫なように特訓しますから！！
先輩と同居したいですっ、一緒にいたいですっ」





もはや一緒にいたいって言ってる時点で
特訓なんて出来る気かしないんだけどね。








「A、特訓するの？」


「はいっ！」


「どんな？」


「·······、」









そう言われると何も思いつかない。
てか特訓ってなんだ。
恋愛に特訓なんてあんの？





「ふっ、」





“やっぱAって見てて飽きない”





ふにゃって優しく笑う
私の大好きな先輩の笑顔が向けられて、
私は不覚にも抱きついてしまった。










「······え？なんか大胆じゃない？」





一回こんなことをしてしまうと
逆にもう戻りずらい。

だから、さっきよりも腰に回す手に力をこめて
また先輩の胸に顔を埋めた。






「····あのさ、A」



「····はい？」








·









「嘘だからね」







「・・・はい？」






顔をあげると
先輩はさっきよりも楽しそうに笑って、







「同居しよ。そんで、ずっと一緒にいよう？
Aが特訓しなくても大丈夫。
俺がずっと離さないと思うから」






私に向けられるその視線に
どっと緊張がほぐれる。









「・・・先輩のばかっ！！」





“エイプリルフールじゃないのに
なんでそんなに嘘つくのっ”





ぽかぽかと先輩の胸を叩く。





先輩に2回嘘つかれ、
今日のお昼は裕太にも嘘をつかれた。









「ばかっ、先輩なんて·······
・・・・・・大好きですっ！！住みますっ！」




私の返答に満足そうに微笑むと、
ぽかぽか叩いていた私の腕を引いて
また先輩の胸の中に閉じ込められた。





「A、帰ろっか」



「·······はいっ、」






今日は、同居決定記念日になりました。

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