先輩の好きなとこ。

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お互いに仕事に集中しているだけあって、
静まり返ったこの空気が
逆にそわそわして変な気分になる。

それでも日々の努力で培った仕事力で
すぐに仕事を終えることは出来たものの、
ちらっとAを見たら
それはそれは難しそうな顔でパソコンを見つめていた。









「·····どんな感じ？」



Aの横のイスに腰掛けて肩をそっと叩く。


集中していたAは
俺に気づかなかったのか、
声を掛けた瞬間目をカッと見開き
キョトンとしていてそれがまた可愛い。






・・・あー、もう。全部可愛いじゃん。






「····あの、これで終わりなんですけど
最後の最後で手こずってしまって、」








“せっかく先輩に手伝ってもらったのに
私が遅くてごめんなさい·····、”って

それはそれは泣きそうな顔で
俺を見つめる顔が小動物みたいで








「いいよ、ちょっと見せてくれる？」



「·····はいっ」






安心して欲しくて
優しく微笑みかけてからパソコンを借りる。
解決出来た途端、
すぐにぱぁっと笑顔になって、
ありがとうございます！なんて
お花みたいにふにゃっと笑いかけてきた。








・・・・あぁ、もう完全に堕ちたなこれ。









「····本当にありがとうございました！
よかったら、また何かお礼させて下さいっ」



「じゃあ、この後って空いてない？」



「·····えっと、空いて、ます」



「じゃあ夜ご飯付き合ってくれない？」



「······そんなことでいいのなら是非っ、」





ちゃっかりこの後の約束も取り付けて、
Aとの時間を作った俺。

この短時間で色んな気持ちが溢れたけど、
もう決めた。









「ふふ、お腹空いちゃいましたー」









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“俺がもらうんで”




渡してたまるか。
こんなに好きになったんだから。

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