先輩の好きなとこ。

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もうすぐで土曜日が終わる夜中の12時前。
休日出勤で仕事に出かけていた先輩から
もうすぐ帰ると連絡を受け、
私は玄関の前でただ先輩の姿が現れるのを待っていた。



同じ職場で行きも帰りも一緒だった私たち。
こうやって先輩の帰りを待つことが本当に久しぶりで、
慣れないことをしているからかものすごく緊張する。








“ ・・・まずは、大胆になれ ”





裕太が教えてくれた
先輩と距離を縮める方法を何度も脳内で繰り返し、
私は眉間に皺を寄せていた。





「······大胆ってなんだ？」





ふと疑問に思う。
大胆って、よく聞くけど、
何をしたら大胆だねってなるんだ····？



だめだ、私恋愛不器用すぎる。







＿＿＿＿＿＿＿＿♪







「·····っはい、はいっ！」





インターフォンから先輩の顔が見えて、
深く息を吐いてからゆっくりとドアを開けた。





「·······ただい、····え？」





先輩の少し驚いたような声が聞こえる。
私は、勢いで抱きついてしまった。





「·····どうした？なんかあった？」





先輩は、私に何かあったと勘違いしているらしい。
ごめんなさい、違います。

安易な私は
大胆って言われるとこういうことしか思いつかなくて、
とりあえず抱きついたもん勝ちでしょ！って。


でも、抱きついた後ひどく後悔してる。
先輩の甘い香りに包まれて頭はクラクラするし、
慣れないことをやったせいで
完全に身体を離すタイミングを失ってる。







何も喋らないまま
抱きついて何分かが経った。

ようやく顔を上げると
目の前に先輩の顔があって、
反射的に身体を離すことが出来た。






「・・・A、なんかあったの？」





ものすごく心配そうな顔で
私を見つめる先輩に少し胸を痛める。





「······全然っ、そういうのじゃなくて、
あの、今日一日ひとりで寂しかったから·····
勝手に抱きついてごめんなさいっ！」





逆に大胆すぎて引かれた？
やばい·····恥ずかしい。





「······ご飯っ、作りました！
食べますか？今温めて────・・・、」








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「·······可愛すぎんだけど、
もっかいやって？」

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