先輩の好きなとこ。

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「···············せんぱい、」




夜になると共に
ライトアップされるビルなどを
まとめて一望出来るこのふんすい広場。

柵のところまで行けば、
ビルの光が海に反射している様子が見える。


私はこんなロマンチックな場所で、
一年前先輩に告白された。







「この場所、思い出の場所なんだよね」





柵に寄りかかって、
ぼんやりと海を見つめる先輩の横に
私も真似して寄りかかる。





「·········私もです、」





一年越しにまたここにやって来ると、
今こうやって隣に先輩がいて、
一緒にこの景色を見ることが出来ている
この幸せいっぱいな空間を噛み締められて、
また先輩への気持ちが溢れてくるんだ。





「·····先輩、この場所覚えてたんですね」


「当たり前じゃん。
ここから俺たちは始まったんだから」




ちらって私を見つめると、
優しく手を握られた。





「先輩、手冷たいっ」


「寒いししょうがないだろー」


「じゃあこうしましょっ」




指を絡みとるように握り直して、
私のポケットにいれてあげる。
以外に先輩の手が冷たいところとか
めちゃめちゃ可愛いんですけど······





「·····なんだよその可愛いの、」



「はい？」



「もう、その可愛いのやめろっ！」



「·······はっ？ちょっ、何をっ」






両手でほっぺたをぐりぐりされて、
いつの間にか先輩の大きな手のひらで包み込まれていた。

急に静かになって、
先輩の目線が私の唇に向けられると、
ドクンドクンと波打つように私の胸も高鳴る。





「········っ、」





なのに、全然してくれなくて。
ゆっくり顔を話すと先輩は私を見つめた。









「·····その前に、
気持ちを伝えるってやつ。終わってない」

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