太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ25)

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〝シノア〟という異端ページ25

シノアside

正直、言う事は迷った。

言いたい訳ではないし、むしろ言いたくない

でもあの子なら、きっと＿＿＿＿

前を向けと言うはずだから。

『それは＿＿＿＿＿＿＿＿

少し、長くなる』

珠音は大丈夫、と言うようにうなづいた

『私の名前、知ってるよな？』

珠音「来宮熾哀、だよね？」

『それは偽名。

私は、イギリス人だから』

珠音「はい？え？えぇ？」

『話を続けるぞ

私の本名は、シノア・アルフォネア

私には、双子の妹がいたんだ』

珠音「アルフォネア……妹……

あれ？いたんだ？過去形？」

気づいたか、

そうだ。

『妹は、死んだ。

私のかわりに』

珠音「！」

『妹の名前は、ジュノン・アルフォネア

お前に、凄く似てた』

そこで、1度言葉を切った。

この先を言ったら珠音は私を軽蔑するだろうか＿＿＿＿？

それでも、

私は前に進まなくてはいけない

『この瞳＿＿＿＿

左右で色が違うだろ』

珠音「うん。でも、生まれつきでしょ？」

珠音は当たり前のようにそう言った。

それが普通の発想だ。

私がアルフォネアの家ですら、異端ではなければ＿＿＿＿

言え。

言ってしまえ。

それが、あの子に対する償いになるなんて思ってなんかないけど＿＿＿＿

《死にたい》

《殺して》

《私を許さないで

だって私は、大罪人だから》

かつての記憶がよみがえる

『違う。この黒い目は、妹のものだ。

ある事件で私たち双子は、死にかけた。

片方しか救えなくて、私が選ばれた。

その時失明した瞳の代わりに、ジュノンの瞳が、移植されたんだ＿＿＿＿』

珠音は声を発さなかった。

それだけで、アルフォネアの家の事を、私たち双子の事を、シノアという異端を理解したのだろう。

今の話には、多少虚偽があるのだが＿＿＿＿

それはまぁ、またの機会でいいだろう