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_____8話_____ ページ10

動物も木々達も、そして人間も寝静まった夜。
俺はA姫の広間の前で警備をしていた。勿論、【鬼神】から守るために。

今日は生憎、霧が濃く視界が良くない。だが姫が今日潔く寝てくれたことには手を合わせるほど感謝した。

あと1つ贅沢を言うなら、このまま姫が大人しく寝てくれること。万が一 目が覚めて抜け出すなんてことがあれば泡を吹いて倒れそうだ。


「相変わらずトントンは真面目やなぁ。もっと楽にいこーや」

「お前は油断しすぎやシャオロン」


余裕ぶっこいてニコニコ笑いながら近付いて来たのはシャオロンだった。霧のせいか、全然気が付かなかった。


「姫と"不死の薬"は大丈夫なん?」

「姫は奥の広間でお休みや。薬はガバガバの大先生が警備しとるけど、兄さんと軍曹もおるけん大丈夫やろ」


自分から訊いてきた癖に「ふーん」と興味なさそうにシャオロンは黄色の瞳を広間に向けた。その瞬間、


「…………っ!!?」


俺はシャオロンの首を掴んで冷たい廊下に叩きつける。シャオロンが苦しそうに咳き込んだ。それでも首を離さない。


「お前、誰や?」

「……!?誰、って、俺やって」

「シャオロンこそ"不死の薬"の警備に行っとる筈や。いやぁ、嘘の情報流しとって良かったわ」

「……っ」


シャオロンが悔しそうに顔を歪めた、と思えば、


「……はははは」


嗤った、のだ。口角を上げ、楽しそうに。
こんな状況で楽しそうに笑うのは馬鹿か、それとも___。


「ロボロの情報収集も裏掛かれたなぁ。まぁお前には勝てる気しかせんけど」


狂人だけだ。

押さえていた右手を掴まれ、壁に押さえつけられる。その左手には小刀が握られ、少し横にずらせば俺の首根っこを掻き斬れられるだろう。
しかもこいつ、両利きか。

形勢逆転、とはまさにこのこと。


「俺さぁ、暗殺とか得意なんやけど、まさかあんたに見破られるとは思わんかったわ」

「……あぁ?」


それはつまり弱いと捉えられていたということか。思わずドスのきいた声で相手を睨む。

……外には警備がいた筈だ。何故こいつは入ってきている?何故ここまで来れた?

冷静を装っているが、頭の中はショート寸前だった。なんとかして、此処から離さなければ。


「どうせ姫は此処やろ?やないとお前が此処におる筈ないもんなぁ。せや、姫にお前の死にざま見せてやれや」


ぐっと小刀に力が込められ体重を掛けられる。
相手の瞳が翡翠色に煌めいたのを見逃さなかった。

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あみーごー(プロフ) - 美桜さん» 更新遅れてしまってすみません……。出来るだけ沢山の方々に楽しんでもらえるよう頑張ります! (2017年3月25日 20時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - グフッ(゜Д゜)続きが…気になる!更新期待しております!頑張ってください笑 (2017年3月25日 13時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - ゆうさん» 楽しんで頂けて何よりです!ありがとうございます……!頑張りますね! (2017年3月8日 9時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - だんだん面白くなっていく...!!一つ一つのお話が本当に面白くて次どうなるんだ?!って楽しみになります..笑 更新頑張ってください!陰ながら応援しています!! (2017年3月7日 17時) (レス) id: d1fdd0c861 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - 蘭菊さん» 遅れてしまって申し訳ありません……。頑張って1日1更新目指します!ありがとうございます! (2017年3月4日 7時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あみーごー | 作成日時:2017年1月28日 7時

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