_____43話_____ ページ46
あの和菓子を1つ貰っておけば良かったと少し後悔しながら暖かい日差しが差し込む廊下を歩く。オスマン、残しておいてくれるかな。
本来挨拶も無しに襖を開けたら怒られるけど、今日はたくさん荷物を持ってるから仕方ないよね、と自分に言い聞かせて襖を開ける。
「お土産だよー!和菓子いっぱいあるから食べてね!」
「……姫、挨拶をしてから入りましょう」
「おや、和菓子か。姫が選んだのならきっと美味しいでしょうね」
「……エーミールは姫を甘やかしすぎだ」
「そうかな」と照れくさそうに笑ってエーミールは頭を掻いた。「照れる所じゃない」と呆れて溜息を吐いた兄さんに私も笑みを浮かべる。
この広間では兄さん、エーミール、軍曹が書類やら資料やらの整理を行っていた。あれだけ大きな戦争があったから、その後始末か何かかな。
大変だなあ、書類整理って。私じゃ無理だ。
「姫が選んだ和菓子とは、団子かな?」
「えぇ、軍曹なんで分かるの!?」
「姫は団子が好きでしたから」
狐の面をしているせいで軍曹が笑ったかどうかは分からなかったけど、多分、お面の向こうで微笑んでいたと思う。
本当に、平和になった。……あの日以来から。
人間も鬼も仲良くなった。誰もが望んだ、平和な世界。私もそれを望んでいた。
でも、心にぽっかり穴が空いたみたいな、この気難しい気持ちは何なんだろう?
「お土産ありがとうA!」
「団子好きだよ〜、ありがとう!」
そう言って嬉しそうに笑顔を向けるロボロとしんぺい神にますます団子が食べたくなった。自分の分も買っておけば良かった。
「2人は仲良いんだね!」
「いや違うよ!これはこの神が」
「仲良いよ!ね、ロボロ!添い寝する?」
「せんわ!阿呆か!」
わちゃわちゃする2人はやっぱり仲が良さそうで、喧嘩するほど仲がいいってこのことなんだろうなあ、って思った。えっと、これって誰が言ってたんだっけ、確か
…………________。
あ。
「でもさ、平和になったよな」
少しだけ遠くに行っていた意識を引きずり戻し、ロボロの言葉に耳を傾ける。「そうだね」としんぺい神が便乗した。
「人間も鬼も、皆が仲良く、平等に暮らしていける世の中。これが、僕が望んでいた事」
やっぱり皆そうだった。
種族が違くても、仲良く暮らしていける、そんな世界を望んでいたんだ。
違う種族たちがお互いを馬鹿にして、虐げるような世界なんか望んでない。
そうなんだ。
みんな"平等"に生きていける事が理想なんだ。
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あみーごー(プロフ) - 美桜さん» 更新遅れてしまってすみません……。出来るだけ沢山の方々に楽しんでもらえるよう頑張ります！ (2017年3月25日 20時) (
レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ｸﾞﾌｯ(゜Д゜)続きが…気になる！更新期待しております！頑張ってください笑 (2017年3月25日 13時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - ゆうさん» 楽しんで頂けて何よりです！ありがとうございます……！頑張りますね！ (2017年3月8日 9時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - だんだん面白くなっていく...！！一つ一つのお話が本当に面白くて次どうなるんだ？！って楽しみになります..笑 更新頑張ってください！陰ながら応援しています！！ (2017年3月7日 17時) (レス) id: d1fdd0c861 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - 蘭菊さん» 遅れてしまって申し訳ありません……。頑張って1日1更新目指します！ありがとうございます！ (2017年3月4日 7時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あみーごー | 作成日時：2017年1月28日 7時
