_____26話_____ ページ29
目を覚ますとそこは真っ暗で、何も見えなかった。手足も縛られているようで、身動きもとれなかった。
___シャオは?
先程まで一緒に居たシャオが居ない。
それにあの黒い着物の人は、もしかして___。
「あ、気がついた?」
いつの間にか、背後から低い男の声が聞こえた。その声は先程まで私に優しく微笑みかけてくれた声と、全く一緒だった。
恐る恐る顔を上げて、その人と視線を合わせる。赤い大きな×印のついた白いマスクを付けて、表情はよく分からなかったけど、声で嫌でも判別できた。
「君ねぇ、分かってるとは思うんだけど誘拐されちゃったからね。まあ多分、助けは来るんだろうけど」
「シャオは!?シャオは何処なの!?」
「は?シャオ?」
うーん、と考える素振りを見せながら男は天を仰ぐ。それから何かを思いついたように人差し指をぴんと突き立て、言った。
「ああ、蹴り飛ばしたあいつ?弱かったねぇ。姫様を守るならもっと強い護衛つけなきゃ駄目だよ」
「弱くなんかないよ!シャオは強いよ!」
「俺に負けるくらいじゃあ、あの人には到底及ばないってとこかな」
男は私の反論も無視し、面倒くさそうに欠伸をした。その行為に、馬鹿にされたようでムッとしたけど我慢。
大丈夫よ、きっと今すぐにでも鬱やシャオが助けに来てくれる。
……トントンは、どうだろう。
大丈夫、きっとトントンも私のこと探してくれてる。
「落ち込んでるねぇ。トントンさんと何かあった?」
「……なんでトントンのこと」
「簡単だよ。理由は2つ。1つはうちの優秀な情報屋が君達の関係を調べあげたから。そしてもう1つは、トントンが元【鬼神】のメンバーだったから」
…………え?
「……トントンが鬼だってことは私知ってるわ。でも【鬼神】の……盗賊団の仲間だなんて聞いたことなかったし、トントンもそう言ってなかったもの」
「それは、君が知らなかっただけでしょ?」
思わず呼吸が止まった。ついでに、時間も止まったように思えた。出来るなら、この男の続きを聞きたくなかった。
「多分、鬱もシャオも月読様も、みーんな そのこと知ってるんだよ。君だけ知らなかったんだ。だってそうでしょ?」
1歩、男が私に近付く。視線を離したいのに、離せない。言い返したいのに、出来ない。
ぐいっと耳の近くで男は囁いた。
「トントンは君のことが嫌いだからね」
違う、そんな筈ない。
私ははち切れそうな心の中でそう叫び続けた。
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あみーごー(プロフ) - 美桜さん» 更新遅れてしまってすみません……。出来るだけ沢山の方々に楽しんでもらえるよう頑張ります！ (2017年3月25日 20時) (
レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ｸﾞﾌｯ(゜Д゜)続きが…気になる！更新期待しております！頑張ってください笑 (2017年3月25日 13時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - ゆうさん» 楽しんで頂けて何よりです！ありがとうございます……！頑張りますね！ (2017年3月8日 9時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - だんだん面白くなっていく...！！一つ一つのお話が本当に面白くて次どうなるんだ？！って楽しみになります..笑 更新頑張ってください！陰ながら応援しています！！ (2017年3月7日 17時) (レス) id: d1fdd0c861 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - 蘭菊さん» 遅れてしまって申し訳ありません……。頑張って1日1更新目指します！ありがとうございます！ (2017年3月4日 7時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あみーごー | 作成日時：2017年1月28日 7時
