_____18話_____ ページ21
「あ、寒いでしょ?早くあったかい所に行こ!後あったかいご飯も食べよ!後ねぇ、私面白い遊び知ってるから教えてあげる!」
「は!?ちょ、ちょっと待ってや」
きょとんとした顔で此方を見つめる彼女。その彼女を一言で表わすなら、やっぱり"馬鹿"だ。
「何言ってんねん!俺は鬼で、お前は人間___」
『___トントン!』
……ちょっと待て。
あいつは___グルッペンは何処や?
「おい人間!グルッペン、グルッペンは何処に居るんや!?」
「へ、ぐ、グルッペン!?誰それ!?」
「崖の上に居ったやろ!?俺を助けようとして手伸ばしてたん見えた筈や!!」
「分かった、分かったから落ち着いて!ほら、深呼吸」
彼女に肩を掴まれ、はっと我に返る。それから「ゆっくりね」と彼女が息を吸って、吐く。俺も真似をした。
いつの間にか、過呼吸のように呼吸がしにくくなっていたことに気付いた。
「落ち着いた?」と訊かれ渋々頷く。彼女はにっこり笑って、まるで話してもいいよ、というように静かになった。
俺は話した。今までのこと。
俺が巷を騒がす【鬼神】の1人、鬼だと言うこと。
グルッペンという親友がいて、そいつと街に降りてきていたこと。
人間達に追い払われたこと。
それから、足を滑らして崖から落ちたこと。
そして、彼女に会ったこと。
「そんなことが……」
彼女は驚いているようだった。馬鹿だから気付かなかっただけで、またどうせ"角"を見せたら逃げ出す。何度もあったことだ。
人間達は嘘吐きだ。同じ人間同士でも嘘を吐く。訳が分からない。そんな人間達は自分より弱い存在を見つけるとそいつを馬鹿にする。
自分はお前よりかは上だ、馬鹿にしなくても心の奥底ではこいつより上に立ちたい、俺が1番だなんて馬鹿げたことを考えているのだ。
人間は嫌いだ。ただ単に俺達が酷い仕打ちをされていることだけじゃない。
人間達の、嘘を吐いて本当は相手を下に見ている、卑怯な心が嫌いだった。
「俺は鬼や。早く逃げんとお前なんか___」
視界が真っ赤に染まる。彼女はそれでも目を見開いて俺を見つめていた。
「食べてしまうで?」
黒い1本の角。先程より赤く輝く目。
その姿は異形で、まさに"鬼"だった。
さぁ、逃げろ。怖い、恐ろしい、醜いだなんて叫べ。優しく掛けた言葉も嘘だと言え。
どうせ、皆いなくなる。
___嘘なんか、要らない。
「……辛かったでしょ」
…………なんで?
彼女は、逃げなかった。
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あみーごー(プロフ) - 美桜さん» 更新遅れてしまってすみません……。出来るだけ沢山の方々に楽しんでもらえるよう頑張ります！ (2017年3月25日 20時) (
レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ｸﾞﾌｯ(゜Д゜)続きが…気になる！更新期待しております！頑張ってください笑 (2017年3月25日 13時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - ゆうさん» 楽しんで頂けて何よりです！ありがとうございます……！頑張りますね！ (2017年3月8日 9時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - だんだん面白くなっていく...！！一つ一つのお話が本当に面白くて次どうなるんだ？！って楽しみになります..笑 更新頑張ってください！陰ながら応援しています！！ (2017年3月7日 17時) (レス) id: d1fdd0c861 (このIDを非表示/違反報告)
あみーごー(プロフ) - 蘭菊さん» 遅れてしまって申し訳ありません……。頑張って1日1更新目指します！ありがとうございます！ (2017年3月4日 7時) (レス) id: c9fce9eca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あみーごー | 作成日時：2017年1月28日 7時
