鬼に魅せられぬように【wrwrd】

_____13話_____ ページ15

ところが首領は、それを覆し両手で肘を付いてオスマンの話を聞こうと待っている。
オスマンとコネシマは少し恐ろしく思った。


「……分かった。多分やけど、近々あいつらは」


間を置いて、オスマンは次の言葉を紡いだ。


「仲間割れをする」


激しい雨の音が聞こえた。屋根を叩きつける豪雨は、グルッペン・フューラーの気分を高揚させた。




今日は雨だからか、誰も来てくれない。
お手玉で遊んでたけど、鬱みたいに上手に出来なくて、飽きてしまった。

暇だなぁ。


「お外、出たいなぁ」


そういえば、なんでお外に出ちゃいけないんだろう?昨日みたいに、怖い人達が襲ってくるからなのかな。

でも、いざとなったら逃げ足には自信があるし、竹刀だって持ってる。全然大丈夫なんだけどな。

トントンは、カサゴすぎるんだよ。私のこと、心配しすぎなんだ。


「あれ?ハシゴだっけ?」


違うよ、なんだっけ?
えーっと、エーミールが確か……。


「カホゴ?」


私がそう1人で呟いても、「そうだよ」とか、「違うよ」とか言ってくれる人はいない。

手鞠で遊ぼうかな、なんて思って帳の向こうをそっと捲って覗く。手鞠が、無い。

どっか飛ばして、そのまま放ってるのかも。
取りに行くのも面倒臭いし、もういいや。

急に、心細くなってきた。隣に誰もいないから、かな?それでも、恐い。

また、変な人が入ってきたらどうしよう。
トントンが傷付けられたりしてたらどうしよう。
シャオと鬱が来てくれなかったらどうしよう。
また、月読様や皆に現世に独りぼっちにされたらどうしよう。

不安はどんどん募っていって、心臓がどくどく鳴っているのが耳を澄まさなくても分かった。


「皆、何処に、いるんだろ……」


そう呟いて、帳を開ける。目の前は何畳もの畳が敷き詰められ、優雅な装飾が施された襖が中央に聳(そび)えている。

ゆっくりと立ち上がって、1つ深呼吸。
大丈夫、怖くない。皆に会いに行くだけ。

大丈夫、大丈夫。

襖を開け、廊下に誰もいないことを確認すると、私は大広間を飛び出した。



＊＊＊

更新サボってて本当に申し訳ございません。
(土下座姿勢)

私事ですが、テスト期間に突入したのと、期間中なのに部活があるという何とも鬼畜なバレンタインデーを迎えました。因みに部活は週末まであります。勉強もします。助けて下さい。

また更新が遅れるかもしれません(号泣)

それをご理解頂けた上で、これからもこの作品を読んで下さると嬉しいです。

_____14話_____→←_____12話_____

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す