【おそ松さん】この男 “迷探偵” につき【なごみ探偵】

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拝啓・息子、チビ太へ



お久しぶりね、チビ太



元気にしてるかしら



貴方がお父さんと喧嘩して家を飛び出してからもう７年が経ちました



お父さんの葬式にも顔を出さないんだもの、本当に頑固者なんだから



一体、誰に似たのかしらね、全く



さて、あまり時間がないので本題に写ります



この手紙がチビ太の元に届くとき、お母さんはもうこの世には居ません



去年の末に、ガンが見つかったの



この手紙はね、弁護士さんにお願いして、お母さんが亡くなったら出してもらうことにしてあるのよ






ねぇチビ太



昔お母さんが遊んであげたこと覚えてるかしら



宝の地図を描いておやつを見つけさせたり、謎解きをさせてお年玉を探させたり



貴方は探偵ごっこが大好きだったわよね



では、そんなチビ太にお母さんから最後の謎解きです



この手紙が届いてから１週間以内に、実家に戻ってください



そして、もう１つの遺書を見つけてください



その遺書にはね、“我が家の全財産を、この遺書の持ち主に譲る”って書いてある



貴方の事だもの、どうせお金がたりなくて店持ててないでしょう？







第二の遺書を見つけて、家を売って、そのお金で店を持ちなさい



お母さんの最後の遊びに、ちょっとだけ付き合ってちょうだいね



そうそう、弁護士さんに連絡を入れてから向かいなさいよ



ヒントを渡してありますからね



――貴方のおでんを食べられなかったことだけが、少しだけ心残りです



それでは、一足先に失礼



ごきげんよう








母より


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「こいつが、昨日、家に届いたんだ…」



『えっと…なんていうか…この度は御愁傷様です…』




正直、遺書の内容が内容なだけに何と言っていいのかわからないが、Aはとりあえず頭を下げる



「いやいや、おいらも突然すぎてまだついてけねぇんだ、親戚がいねぇから確認もできねぇし…」



ははは、と笑うチビ太は一見普通に見えるが、よく見ると目の周りが赤い



遺書に書いてあった通り、色々と事情が複雑なのだろう



隣を見るとおそ松は遺書を透かしたり虫眼鏡で観察したりしている



まるで怪盗からの挑戦状のような遺書



この事件、なかなかにめんどくさいことになりそうだ

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