ファイル2“2つの遺書と母の思い” ページ6
コンコン、と扉を叩く音がしたのは、調度、おそ松とAが昼御飯を食べ始めた頃だった
依頼か!?と思う前に、また来たか借金取め…と思ってしまうのは常に赤字のなごみ探偵事務所の人間の悲しい性である
所長であるおそ松(こいつが借金をしている張本人だ)が机の下に隠れてしまったのを見て、Aは渋々腰をあげる
『は〜い今出まーす』
努めて明るい声を出しつつ扉を開けたAは目の前にいる人物を見て、はて、と首を傾げる
どうも…と不安げに顔を見せたのは女性であるAより背の低い男
黄色いシャツに赤い蝶ネクタイをして短めのズボンをはいたその人物は服装と身長が相まってとても幼く見える
借金取にしては威圧感が無さすぎる、では一体何のようでこんなおんぼろビルまで…
そこまで考えたAはまさか、と思いつつ目の前の男性に声をかける
『あの…ひょっとして…』
「あぁ、探偵さんに、依頼があってよ…」
ほんと!?っと声をあげたのはAではなくおそ松だ
ホームズコスプレ男の登場に目の前の男性は目を見開きつつも、お、おう…と答えた
やったねAちゃん!依頼だよ!と飛び跳ねるおそ松を、はいはい良かったですね所長、とあしらいつつ、心境としてはAも飛び跳ねたいくらいである
何せAがこの事務所に来てから1ヶ月、依頼は一件もなかったのだ
初めての仕事だ
何が何でも成功させてやる
そんな闘志を胸に、Aは依頼主を事務所の中に案内する
「ようこそ、なごみ探偵事務所へ!!」
『まずは中でゆっくりお話を聞かせてください』
初めてとは思えない程のコンビネーションで依頼主を事務所へ連れ込んだ二人は椅子とお茶を用意して男性の向かいに座る
男性は自分の名前を“チビ太”と名乗った
近所の川の近くで“ハイブリッドおでん”という店…もとい、屋台をしながら生計を立てているという
俺もおでん大好き!というおそ松に、じゃあ今度食べに来いよ、サビースしてやるからよと笑顔で答える気前のいい江戸っ子だ
笑顔で話す二人は早くも仲良くなっていて、Aはおそ松のコミュニケーション能力に密かに舌を巻く
『それで、本日はどういったご用件でしょうか』
するとチビ太は少し顔を曇らせ、ポケットから“遺書”と書かれた封筒を取り出した
顔を見合わせる探偵達を前にチビ太は困ったように切り出す
「実は…」
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雪だるま - おでん旨そう……(´▽`*) (2017年4月24日 19時) (レス) id: 71f12d7c08 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - お久しぶりですぅうううううう!!最近高校生活で忙しかったぁあああああああ!!そしてリア充は○ねぇえええええええ!!(激怒) (2017年4月24日 19時) (レス) id: 71f12d7c08 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - マゾT・Eさん» はわわ、ご卒業おめでとうございますぅ!!.゚+.(≧∀≦)゚+.゚私も卒業しましたので、これからは更新がんばりますよー!(笑) (2017年3月19日 16時) (レス) id: e328e30274 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 雪だるま(卒業したぁあああ)さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年3月19日 16時) (レス) id: e328e30274 (このIDを非表示/違反報告)
マゾT・E - 私も今日卒業して明日合格発表です。これからまた、おゆまるさんの作る作品楽しみに待っています!頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 89446e9827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆまる | 作成日時:2017年1月6日 8時