【おそ松さん】この男 “迷探偵” につき【なごみ探偵】

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「すとぉーっぷ！！」







「…あ？」






声がした方向に目を向けたAは思わず、うわ、と小さく声をだしてしまう






視線の先にいるのは、まるでシャーロックホームズのような衣装に身を包んだ男



コスプレ、と呼ぶにはチープ過ぎるが、この場で異質なのは間違いない




実は、この男こそなごみ探偵事務所所長、松野おそ松なのである




「…誰だてめぇ…おい、姉ちゃんの知り合いか？」



『いえ全く』





余りのことに毒気を抜かれたのか先程よりやや敵意の薄れたヤクザ男の言葉を、Aは素早くはねのける





えぇ！？っと不満そうな声をあげたのはおそ松のほうだ




「何でよAちゃん！所長だよぉ？俺、寂しくて心臓きゅってなるよぉ？」



『あぁぁぁもうわかりましたからしゃべらないでください！』



一連の茶番を見せられたヤクザは質問の答えを待つのに飽きたのか、再びAに向き直る



が、それを見たおそ松がまたしても声をあげた





「その男の子泣かせたの、Aちゃんじゃないよぉ？」



『いや、それはこの人もわかってますって！』





ほんとに黙って！と叫ぶAに、おそ松はニコニコと笑うだけである




「さっきからごちゃごちゃうるせぇな…！黙ってろてめぇ！」




イライラがピークに達したらしいヤクザはAの気持ちをそのまま代弁してくれた




するとおそ松は何処からかパイプを取り出し、パチリとウインクをして決めポーズをとる





「俺の名は、なごみ探偵、松野おそ松！


実は…その男の子を泣かせた犯人は…この世の何処かにいます！！」




「…ぶっ殺す」



『何っで煽ったの！？』







ビキリ、と青筋をたてておそ松に向かっていくヤクザをを見てAは思わず声を荒げて走り出す




彼に掴みかかろうとするヤクザの右手をぐいっと捻り、えいやとばかりに投げ飛ばせば、周りからおお！と歓声があがった





『あの二人も悪気があったわけじゃないんですから、勘弁してあげてください！あとあのバカも後で私が殺しとくので勘弁して！』



いてぇ！と悲鳴をあげるヤクザにその声が届いてたかは定かでは無いが、何とかこくこくと頷いたのを確認して解放する







子供を抱いて走り去る後ろ姿を見た野次馬はよくやった、と口々に叫び





そんな声をBGMに探偵はにかっと八重歯を見せて笑った






「これにて、事件解決っ☆」


『いや、アンタ何もしてないからね！？』

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