好きで好きでたまらない

お人好し ページ41

その後あいつは自分のしたことを先生に話したらしく、
殴られた痕も自分が自暴自棄になってやってしまったと説明したらしい。

あいつは1週間の停学。

今の時期、3年にとっちゃ痛手だろう。

亮介は悪いことしたなと気に悩んでたけど、
ここ数日亮介をこそこそ追い回して、
挙げ句帰宅途中に亮介かっさらって手足縛って
倉庫に…って事実を聞くと、
それぐらいの罰は当たり前だと思うし
なんなら軽い方だと思う。


どおりでメールの返信もないわけだ。
寝不足だったのもこれのせいだろうし。


亮介がいかにお人好しかがわかった。


「…」

「…和真？なんか怒ってる…？」

「…怒ってない」

「和真…」

「〜っ、ああもう！」


亮介の優しすぎる性格がどれだけ危ないか、
わかってほしくて少し冷たくしようと思ったのに、
そんなうるうるした目で見られて冷たくとかできるわけねぇじゃん…！


「…ほんと、気を付けてよ。
俺いくら心臓あっても足りないから。
…でも、ごめん。
亮介が悩んでるってすぐ気づいてやれなくて…」

「和真が謝ることじゃねぇよ。
俺の方こそごめん。
それから、ありがとう。
助けに来てくれて、見つけてくれて」

「当たり前だろ？」


きつく抱きしめ合ってベッドに身を委ねる。

俺と亮介は早退。
今は俺の家の部屋。


今日は勉強無理だな。


一日中亮介のこと離せそうにない。

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