55 、ー過去編ー 無名 ページ21
帰りに二人で瓶の牛乳を飲んだ
もうすっかりと暗くなってしまったのか辺りに人気は無く、吹く風が痛かった。まるで裏社会の人間に成り下がってしまった事を咎めているかのようにも感じた
真「ねぇ、A。私たちは組織じゃないの、居場所のない異能力者たちが唯一集まれるようなところなの……」
悲しそうにそう云った。
その後は屋敷に着くと着替えてから布団に入った。翌日の朝も早いので眠れない自分に暗示を必死にかけていた
鍛錬は毎日あった。どれだけ疲れていようが、任務の後だろうがあった。
段々殺しにも慣れると今度はAに変化があった。初めは口数が減り、次は意思が消え、最後に感情と云う生きる為には必要不可欠なものが無くなっていった。
唯、どんなにAに変化が有ろうがA自体は変わることを拒んでいるかの様に受け取れたので真昼は少し安心していた
Aには任務と並行してある実験の被験体になることを強いられた。此れには真昼も怒りを露わにして上の者と言葉を交わした
『おかしい!何故子どもにこの様な危険な実験を強いるのですか?死なないからですか?この子からもう何も奪わないであげてください……』
そう云うと上の者はこう云い放った
『君は随分と人間らしくなったな。Aから人間味が失われていく程君は人間らしくなった。いや、正確には君は不安になったのだろう?目の前で気に入っていた人間から人間という要素が抜けていって怖気付いたのだろうな』
その者はカラカラと愉快に笑っていた
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作者名:yugi 0434 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/profile
作成日時:2019年1月23日 23時