死神ト幼女ハ (ページ15)

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49 、ー過去編ー新たな人生ページ15

その後も真昼は会場内の人間を全員殺した

血溜まりの中に立っているのは真昼とAだけだった________

会場から出ると月が一段と妖しく輝いていた

今日という日に相応しい代物だ

真「名前は？」

「一条A」

真「そうか。

なら、今からその名と今迄の自分を捨てろ。」

冷たく云い放った言葉にはAへの威嚇、殺意が滲み出ていた

幾ら四つの童女でも名前を捨てるという行為が何を現すのかは想像出来たのだろう

それは、想い出を捨てる行為であり、家族と縁を切ると云う意味である

つい先程実の母を、見知らぬ人々を目の前で殺された幼女に対してはあまりに酷な選択だ

だが、

Aが踏み入った世界はそんなことが当たり前の残骸、無慈悲な世界なのだ

「わかった」

真「そうかじゃァい「でも、Aと云う名は捨てない」

真「まァ佳い。着いておいで、今から向かう所が君の家だ」

そう云い終えるのと同時くらいに黒塗りの車がAと真昼の目の前に止まった

乗り込むとその車は月明かりで照らされた一本道をひたすら進んでいた

重い空気が車内を包む

誰一人言葉を発しない

いや、話せないのだ

先程真昼に電話がかかって来たが、通話が終わると同時に真昼が苛立っていたからだ

この時の真昼がタチが悪い事は一瞬で判る

重い空気のまま車は目的地に向かい走っている