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three ページ3

「え……?」





シーツにからっぽになった
ガラスのカップが転がる。




目の前には、私の腕を掴んだ
何度見ても胸の鼓動が鳴りやまなかった
オッパの顔が目の前にあった。






「お嬢様は…私をみくびっていらっしゃいますか?」






いつもよりも、低くて
今まで聞いたこともないような
声音が私の鼓膜を震わせる。






「お嬢様がご結婚なさるのを
笑って見送るとでも思ってらしたのでしょうか?







……そんなの無理に決まってんだろ。」






いきなり変わった口調には
怒りが滲んでいるのがわかった。






「オッパ…手、痛いよっ。」






私が、泣きそうな声で訴えても
一向に手を離す気配はない。






「黙ってろ。」






そう言うと、オッパは一瞬だけ躊躇って
熱い唇を重ね合わせた。









それは…あまりに突然のことで。


悲しくもないのに、勝手に
目からぽろぽろ涙が溢れる。



その滴が顔を伝ったのか
オッパはゆっくりと唇を離して。


手を離して。




今にも消え入りそうな寂しげな声で
ゆっくりと話し始めた。






「ずっと、お嬢様を見てきました…。

私が屋敷に初めて連れてこられた日…
まだ私も幼かった頃です。

お嬢様と出会ってそれから日を重ねていくごとに
私の思いも大きくなっていきました。



でも、立場上お嬢様に
気持ちを伝えるなんてことできませんでした。


執事がお嬢様に思いを抱くなど…
執事としてあるまじき思いです。



そして、厳しいお父様や孤独がお嬢様を
苦しめたときだって傍にずっと…

これからもずっといるつもりでした。」



「それから、縁談の話を聞いてから


この思いを、捨ててしまおうと思っていたのに…
お嬢様を見た瞬間、歯止めが利かなくなって。



あんな行為をするなんて執事失格ですね…。」






胸が熱くなって。


鼓動が速くなって。




彼がどうしようもなく愛おしくて。




心臓が爆発しそうだった。

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ぺりーぬ。(プロフ) - ひまわりさん» わわ、そんなこと言っていただけてすごく嬉しいです!! ひょくのイメージを崩してなかったら良かったです^^ (2015年5月25日 21時) (レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ぺりーぬ。さん» ありがとうございます!すごくステキなお話でした!不器用で純粋なヒョクらしいな。なんて思いながらほっこりした気持ちになりました♪ (2015年5月25日 4時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
ぺりーぬ。(プロフ) - ひまわりさん» どうでしたでしょうか!!ご希望に添えていたら嬉しいです^^ もしも、またリクエストなどありましたらいつでも言ってください!!!  (2015年5月24日 22時) (レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ぺりーぬ。さん» 特にないです!サプライズを期待します! (2015年5月23日 21時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
ぺりーぬ。(プロフ) - ひまわりさん» 返信遅れてすみません!!汗 了解いたしました、ひょっくんですね^^他に何か設定とかありますか!?あったら教えてください!! (2015年5月23日 20時) (レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺりーぬ。 | 作成日時:2015年3月21日 23時

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