絶対系狂依存[歌い手][うらたぬき]

絶対系狂依存１７ ページ19

「これが過去のお前の話。分かった？」

「…ｯそんな……」

今まで皆に貰っていた愛情は、、、ただの同情心からだったの？

皆、私の事を本当に愛してくれてたんじゃなかったんだ……

「まあ、いろいろと混乱してると思うけど、次何でいきなり目が見えるようになったかを説明するわ、」

「あ…うん。」

「説明すんのもうだるいし、簡単に言うわ。単刀直入に言えば、ショック、を使ったって感じ。」

「ショック…？」

渉は何したんだろう…

「お前が寝てる間に、死ぬ一歩手前まで首絞めさせてもらった。」

「はぁ！？」

確かに自分の首に手を当ててみると、くっきりと痛々しい跡がついていた。

「それで、精神を取り乱したんだろうな。思い込みなんて、する余裕なくなったんだろ。多分」

「どうだった？お前の話は。」

全てを、事実を知ってしまった私は…

どういきていけば良いのだろう。

渉と一緒にここで暮らす、なんて選択肢はもうない。

大好きだった、依存していた人が実はこんなんだったなんて…

好き、の気持ちはもう完璧に薄れていた。

「あの…渉、私帰る…」

「はぁ？帰るぅ？帰れるとでも思ってんの？」

「いやｯ…ここから出して…」

「出すわけないだろ…？障害がなくったって俺達は一緒にいないといけないんだから。だから、だからさ、死ぬまで一緒に暮らそ…？」

「そんな…」


渉は怖いほどの狂った笑みを浮かべ、私の頭を撫でてから部屋を出ていった。



このまま、二度と外の光を浴びれないまま死ぬなんて嫌だ。

幸いにも、目は使えるようになった。

もう、あの頃とは違う。１人で生きれないような弱い私とはサヨナラだ。



ここから抜け出して、絶対に渉の精神を治してみせる。




目が見えただけで、強気になった自分に苦笑しながら、私は部屋を探索し始めた。

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