【銀魂ﾄﾘｯﾌﾟ】恋動の幕末

雲の晴らし方 ページ33

昨日の出来事に、ため息をもらした。




…結局、偶然出会った沖田さんに
伝言と共に包み紙を押し付けてしまった

捨てられたならばそれでもかまわないし






…それとも、私の気持ちは筒抜けで
遠回しに拒絶されたんだろうか。





．






「…お前、昨日なんかあったのか」





．





神楽ちゃんは友だちとでかけて、
新八君はまだきていない。

坂田さんはソファでいつもどおり
ジャンプにふけっていたわけで。






さすがにため息ばかりの私に
違和感をもったようだ。




．





．





．





「受け取って、もらえませんでした…」






．





絞り出したのは、そんな言葉





．





．





「あほだな、」

「誰がっ、」





テメェだバカヤロー、と。

アホかバカかどっちかにしてくれよ。







．








「あの土方くんが一筋縄で行くと思うか？
一回当たって砕けちまったくらいで諦めんな
再生しろ」


「私何者ですかそれ」





．






それでも、不思議と零れた笑み
意味のわからないその会話で、少し
気が楽になったのだ。この人は本当にすごい





．





「ありがとうございました。…すこし立ち直れた気がします」





「そりゃよかったな。さっさとげっちゅ
しちゃえよ。ポケットマヨラー」

「それはいりません…」






．





．





しかしまあ…





「……ゲット、したいなんて思ってません。」


「はあ？好きなんだろ？」




「そうですけど。…でも私、いつ帰っちゃうか
わかんないですから」





力なく笑えば、坂田さんは、あー、と一言もらし
頭をガシガシとかいた。





．





「……んでもよ、
好きになっちまったもんは仕方ねェだろ」







「…だから、気持ちだけでも受け取って
ほしかったんですよ。私がこっちにいる間に、ね」





それで、きっぱりフラれたい。

そうでもしないと、きっと収まりなんて
つきそうにないのだから。




．





．





「……そうかよ。ま、俺は時空やら次元やら
んなもん、恋にゃ関係ねーと思うけど」



「…遠距離どころの問題じゃないですから」






「いやいや、年の差婚とかはやってんじゃん。
いけるって！次元差婚、時空差婚」

「いろいろ超越しすぎですよ」





．





坂田さんとの会話は、私の中に
昨日までかかっていた雲を、見事に晴らしてくれた

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