顔見知り程度の知人にプライベートで会うと気まずい ページ12
「広っ…」
スーパー、というものが江戸にもあるのだとか
もともと買い物は好きだ。嬉々として街へ繰り出した私であったが、ーーあらら。随分と
ハイカラで大きなスーパーで。
(…わ、私の実家の近くのデパートより
でかいんじゃないの、これ)
今夜のおかずなど、諸々を頼まれおつかいに
きたわけだが、…正直、ここにくるまでに、
慣れない人や街に揉まれ、ヘトヘトなのだ。
その上にこの広さ。ーー商品を探すのにも
一苦労である。
「次は…醤油、か」
調味料どこに売ってんの。
コンビニ愛用してた人間だよ、私は。
この店内、コンビニ何店分ですか。何店分の
売り場があるんですか。
ーーーまあつまりは、迷ってしまったのだ。
スーパーで。…何歳児だっての、私は。
世話になってる身でありながら、料理も得意とは言いがたく、洗濯もうまくできない私は、
おつかいすらまともに果たせないとなると、
いよいよ肩身がせまい。
自分の主婦力のなさに絶望を抱きかけた時
「ーーーおい、」
「…ッ、わ、」
うしろから聞こえた低い声。
ーーそれにはひどく聞き覚えがあった気がして
その"おい"って口調にも。
.
「あっ…えーっと、土方さん…でしたっけ」
「あ、お前…」
振り向いた先には、やはり見覚えのある人。
以前と同様、周りには紫煙が燻る。
違うところと言えば、服装だろうか。
「先日は、お世話になりました」
お世話になりました、っていっても
逮捕されてないけどね。
「……お前は、買い物か」
「ええ。でもこのザマですよ」
迷いました。慣れてないもので、と苦笑いを
浮かべてみれば土方さんは私が持つスカスカの
買い物かごを一瞥し、
「ーーーマヨネーズか」
「………はい?」
「マヨネーズのありかを知りたいんだろ」
迷ってたようだったから声をかけたんだ、と。
まるでそうであると決めつけているように
彼は口を開いた。
「え、いや違います、醤油を…」
「こい。オススメのメーカーも教えてやる」
「ちょ…話聞いてください」
マヨネーズ1択なのはなぜだ。
メーカーってなんだ。気にしたことない。
いろいろツッコミたいところもあるが、
「ーーー運が良かったな。俺もちょうど
聖地にむかうところだったんだ」
「…聖地?」
私の話など聞かず、ズカズカと歩く
土方さんに、何事なんだこれはと、
とりあえずついていくしかなさそうだ。
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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時