【銀魂】カ ミ サ マ

魔界 ページ8

「この髪です！！！私のカミサマ！！」



おまわりさんに痴漢を突き出す時のように
私の声が、万事屋に響き渡った。

坂田さんは、「はあ？」と一瞬疑問符を表し、
改めてテレビを見やった。





『またもややってしまいました！真選組です！
今日午後2時頃、派手な爆発音とともに、家屋が
半壊しました！幸い、怪我人はいないとのことでしたが、今回を含め、今月既に三度目の家屋損壊。
真選組の対応に、注目が集まっています』




アナウンサーの声をバックに、
バズーカを担ぎ涼しげな表情を乗せた青年の顔が
アップに映し出された。

なんだっけ？家屋損壊？そんなことをやった奴の
顔にはどうしても見えない。ーーいやそれより！





「ほら坂田さん！この人です！」



興奮のあまり飛び跳ねる。
このまっすぐでサラリと揺れる茶髪。
間違いない。嬉々として坂田さんを振り返れば、
彼はなぜか全力で眉をひそめ、絶望をにじませた
声で、「・・まじかよお前」と。





「私は運がいい！
坂田さんのケツの穴のおかげですね！」

「・・ソウダネ」




ありがとう坂田さんのケツ。そしてありがとう
私の強運。真選組って確か、武装警察だよね。
家屋損壊ってオイオイ髪質に似合わずなんて野蛮な青年なんだ！まあそこはどうでもいいけどね！






「ーーーおきた、そうご？」




テロップに出た名前は、聞いたことあるような、
ないような。




「どうしよう坂田さん。どこにいけば会えるかな」

「・・魔界じゃね？」

「んなアホな！」

「嘘じゃねーよ。あいつは大魔神なんだ」



さすがの私でも騙されないぞ。そりゃ人間離れした
綺麗な髪だけども。坂田さんはこれ以上ないくらい
でかいため息をこぼして。







「・・ったく、しゃーねェな！依頼料も先払いで
もらっちまってるし」

「え？」


「ーーーアポ、取ってやるよ」

「え！？」




驚愕である。控えめにいって社会のゴミだと
ひそかに思っていた私だったが、株が急上昇だ
マイナスからゼロへ。






「お前に会わせることであのサド野郎に嫌がらせが
できるって考えりゃ魅力的だしな」

「もうこの際なんでもいいです！」



「ただし期待はすんな」との念押し。
どうやら、髪質とは違い、素直にお願いを聞いて
くれるような人種じゃないとのこと。

もちろん了承した。

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