【銀魂】可もなく不可もなく

普通 ページ5

ー銀時サイドー





懐には金。手にはじゃがいもの入った紙袋。
俺たちは予想以上の収入を得て、帰路を辿っていた





「いやぁ、それにしてもありがたいですよね！
Aさまさまって感じです！」

「本当ヨ。じゃがいもパーティできそうアル」




昌山A。万事屋の常連となりつつあるそいつの
顔を思い浮かべる。いつでも平和ボケしたような
ホワンとした表情をしているそいつだが。

ーーーうむ、どうにも、ぼんやりしてるんだよな。
なんつーか、顔のパーツが。浮かんでこねェ。



俺はあいつと出会った当初から、ずっと思ってた
ことがある。









「・・いやさ、確かにあいつは普通に良い奴だよ？
普通に気が効くし。ツラもスタイルも可もなく
不可もなくって感じだし。普通に仕事して
普通に生活してる。ーーでもよ、


"普通"なんだよなぁ」





神楽も新八も無言。つまり肯定だ。
誰も否定しないこの状況。いやね、別に悪口じゃ
ないからね。全てが平凡で普通だって言ってる
だけだからね。ブスとかクズとか言ってないから。


ふと見下ろしたじゃがいも。


大体なんだよ。実家が農家って。しかもじゃがいも
この絶妙な普通加減。ノーマル感。






「・・Aは中間層アルナ。ノーマルタイプネ」

「ぶっちゃけそれどーなのよ」

「いや、ノーマルって偉大ですよ？言い換えれば、
何でも卒なくこなすってことですし」

「でも並程度だろ？」



「・・・並以下よりいいじゃないですか」





新八のフォローすらも苦しくなってきたころ、
出てきた結論は。








「ーーーま、あいつは楽しそうだしいいか」




テキトーにもほどがあるそれ。

でも間違ってねーじゃん？
何も知らずそれこそ平凡に生きてきたからこそ、
あいつはあんなにも穏やかなのだから。

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