【銀魂】可もなく不可もなく

皆無皆無 ページ33

平日の昼。暇なこの時間に訪れたのは、銀さんたち万事屋一行だった。

どれにしようかなとメニューを選ぶ二人に比べ、
「パフェ一つな」と、即決。定食屋には置いていないそれを強要するその人に苦笑を漏らす。

暇だしいいだろうと軽く了承した店長にも、
ついでに苦笑い。





「・・というか銀さん、お金あるんですか？」

「あるぜ。昨日はあたりが良かったからな」

「パチンコってことですね」



神楽ちゃんの大食らいに追いつくくらいのお金が
できたのだろうか。まあ、払ってくれるならば
何でもいいのだけれど。


二人の注文もメモに書き付けた私は、
キッチンに伝えた後、「それにしても、」と。





「3人一緒なんて珍しいですね」

「こいつらが勝手に付いてきたんだよ」

「何を言うネ！お前一人美味いもん食おうったって
そうはいかないアル！」

「うるせェェエ！ほとんど俺が稼いだ金だろ！」

「まあまあ。銀さんも大人気ないですよ」

「テメェちゃっかり一番高ェもん頼んどいて
何澄まし顔してやがる！！」



確かに、銀さんパフェ、神楽ちゃん豚丼、
新八くん焼肉定食と。・・確かに一番高いけど、
そうはいってもうちの店は格安が売りだから。




(まあ、おかげでこの安時給なんだけど、)



仕方ない。

ここの店長、従業員の扱いは雑だけど客に対しては
太っ腹で優しいから。そのツケが従業員に回って
きているとも言える。






「ーーはい、どうぞごゆっくり」



しばらくして、3人の前に料理が運ばれ、
あっという間にお皿の上の半分が消えた。

ここまでガツガツ平らげてくれると、
こちらも定食屋冥利につきるというか。気持ちいい





「ったく、それにしても昼時にこの暇さとはな。
この定食屋、そろそろ終めェか」

「何で従業員の前でそんなこと口に出せるんです」

「仕方ねーだろ。事実誤魔化したってよ」
「縁起でもないです！」




清々し過ぎてむしろ正直者かのように思えるが
ただデリカシーが皆無なだけなのだ。良心が
痛まないのだろうか。






「ーーまあまあAちゃん。
本当のことじゃないか」

「店長！」



洗い物をしていた店長から威勢のいい声があがる。
こっちはこっちでプライド皆無だ。もう知らない。




「・・勘弁してくださいよ。雇い口見つけるのが
難しいご時世なんですよ。私、食いっぱぐれます」

「んな心配は無用だよ。ーーなあ銀さん？」


「あ？俺？何だよオヤジ」



口元にクリームをつけたその人に
店長はニヤリ。

鎮静方法→←あながち正解

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