ーー変? ページ18
バイトも休みの今日、いかに時間を有意義に過ごすか考えた結果、ーーそうだ、ずっと放置してしまっていた本達に陽を浴びさせてあげようと思い、
部屋に集結させたはいいが、
いつの間にか増え続けた結果、その圧倒的な数に
なってしまっていた。そろそろ整理しなきゃなと
思ったわけだ。
その時パッと頭にうかんだのは、銀さんの顔だった
あの人に相談してから気持ちが上がったあと、
沖田さんに再び突き落とされた私は、すこーしだけ
彼に会いたくなったのだ。・・すこーしだけ。
ーーそうして、依頼としてきてもらったが、
「・・嫌そうですね」
「そりゃそーだろお前。結構な重労働だぞ」
「え」
「何だその意外そうなツラは」
なるほど、これが沖田さんがいうデリカシーと
良心をかなぐり捨てた非凡性ということか。
全力の嫌が顔に出てるもんね。
仕事である以上、笑顔で請け負うことが
普通だが、この人は心の底をそのまんま表に
出してしまうと。
「お金は払いますから。割高で」
「よしやるぞ」
「・・・現金なんですね銀さん」
「世の中は金と飯」
「いい顔でえげつないこと言いますね」
でも、この非凡性はやはりいらないなぁ。
何というか、人間として何か抜け落ちてる。
「まあいいです。とりあえず始めましょう」
「始めるっつっても、どうすんだよ。
テキトーに捨てるわけ?」
「そんなわけないじゃないですか。古い子とか、
もう読まない子達は、里子に出すんです」
「は?」
「里子です」
「わかんねーよ」
「・・・・・売るんですよ!」
「何でそんな悔しそうなの」
いやだって、私の手元に来た時点で、話が好みで
あってもなくても私の子供達なのである。
扱いとしては人の子と同じ。それを売る?
そんな言い方はしたくない。他の愛ある読者に
受け継ぐために、あくまで里子に出すのだ。
納得したのかしていないのか、銀さんは苦笑いで
私の話を聞いた後、ゆっくり本の前にしゃがんだ
どうやら、手伝ってくれることについては
承諾してくれたらしい。
「ーーーではまず、作者ごとに分けましょう」
「ア、ハイ」
私の好きな作者は限られている。
時折冒険しようと新しい作者さんの作品を
読むこともあるが、基本は数人の作品を読み歩く。
「・・お前、案外変なとこあるじゃねェか」
「え!?」
「いや一応言っとくと褒めてはねェよ断じて」
ぼそり、呟かれた言葉に振り返る。
何だって?私が、ーー変?
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シュシュ☆☆(プロフ) - インクさん» 変換ミスです。申し訳ありません!ご指摘、本当にありがとうございます! (2018年4月1日 1時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - スマートに の話の1部分「孫にも衣装」→「馬子にも衣装」です (2018年3月31日 23時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ♪( ´θ`)ノさん» ありがとうございます!ありがたきお言葉…!惚れ惚れしていただける作品…かけるよう頑張ります!よろしくお願いいたします! (2018年2月18日 11時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!お時間ありましたら、のぞいてやってください!いつも感謝です! (2018年2月18日 11時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
♪( ´θ`)ノ - いつも更新を心待ちにして居ります。シュシュ様の物語に惚れ惚れとして居ります!これからも執筆頑張って下さいね (2018年1月27日 17時) (レス) id: 1b93fa20e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月22日 23時