闇に浮かぶ町 ページ1
ー土方サイドー
江戸の中心街から少し離れた路地裏。
そこをまたさらに奥へと進めば見えてくる通りには、怪しげでどんよりとした空気に包まれ、静かに
眼光を光らせた柄の悪い野郎どもがたむろしていた
道端に倒れこむ酔っ払い。その横に無造作に
転がった幾本もの酒瓶が、時折俺の歩みを妨げる。
白い紫煙を吐き出しながら、眉をひそめた俺は、
一軒の建物の前で足を止めた。
「ーーーここか」
より一層、怪しげな雰囲気を醸し出すそこが
今回の目的地。足を踏み入れた俺を、
やはり柄の悪い受付の男が1人、出迎えた。
俺のような男が来店することが珍しいのだろう。
査定するように訝しげな視線を向け、やがて、
「・・指名は」と。ドスの効いた声が訪ねてきた
「特にねェ。テキトーに通してくれ」
「・・・こっちだ」
指名、ーー相手など誰でもいい。
目的を達成すればそれで。
大体、この任務自体に俺は乗り気じゃねェんだ。
薄暗い廊下を、男の後に続く。
いくつもの座敷を区切る襖の向こうからは、
かすかに男女の声が聞こえた。
(チッ、・・胸糞悪ィ)
男の足が、一つの部屋の前で止まった。
ここだと促すように顎でその部屋を示したそいつは
また受付に戻るのだろう。
俺の横を通り過ぎ、ーーやがてその足音も
聞こえなくなった。
(・・早急にトンヅラするに限る)
甘ったるい匂いに、頭がぐらぐらと揺れ始める。
誤魔化すように新しいタバコに火をつけて。
一息吐き出したところで、・・目の前の襖へと
手をかけた。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ややさん» ありがとうございます!嬉しいですっ!!読んでくださり、感激でいっぱいでございます!がんばります! (2018年2月1日 20時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
やや(プロフ) - 凄くいい話ですね尊敬しましたこれからも更新頑張って下さいね!!! (2018年2月1日 19時) (レス) id: 551e634984 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ピピコさん» ありがとうございます!土方さんは、実は優しいんじゃないかな?というのが私の妄想です笑。きっとピンチに助けに来てくれるはずです!あと少し、お付き合いいただけると嬉しいです! (2018年1月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!ちょっと土方さんがヘタレになってしまいましたが…最後はきっとビシッと決めてくれるはず…です!頑張ります! (2018年1月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!何とか一巻完結ということで、どうなるのやら私もわかりませんが、頑張って収めたいと思います!どうぞ楽しんでいただけると光栄です! (2018年1月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月4日 1時