色 ページ29
歌舞伎町も深くなってきた。街並みは、確かに中心街と変わらないのだが、道ですれ違う者の雰囲気が違う。やはり土地によって様々なのだろう。
「ーーーどこまでいくの？そろそろ足が
疲れたのだけれど」
「もう少しで着きますよ」
後ろから指示を出してくる沖田は、
いつもしんどいだ何だというくせに、
今日は平然と歩いている。まさかいつものそれが
演技だったのだろうか。そうならば腹立たしいが、
今は怒る体力がもったいない。
「ーーーほれ、あそこでさァ」
「やっとなの？・・一体どんな旅行会、社____、」
は？、と音が漏れた。
目の前に広がるそれは、大きな旅行会社でも、
観光案内所でもないのだ。
「ーーー"万事屋"？」
「よろずや。まあ、所謂何でも屋ですねィ」
一階には、スナックが展開されており、
まだ"準備中"の立て看板が置いてあった。
その二階に店を構えているらしい。
大きな看板を掲げている。
「・・ま、胡散臭い連中ですが、仕事はきっちり
やんのがポリシーみてェなんで」
「大丈夫なの、それ」
「多分」
多分。確証を得られない場所を選ぶなど
言語道断。他を当たりましょうと沖田を振り返れば
いつものポーカーフェイスだけれど、ーーその中に
浮かぶかすかな色。
(ーーあら、)
「知り合いなの？」
「ええまあ。ちょっと顔見知りなだけですが」
なんだかんだ言いつつ、ここの人たちを信じている
わけね。・・私から、自然と笑みがこぼれた。
いつも真選組の人間に向けるような、そんな表情。
ずっと一緒にいて気づいた微妙な色の違いは、
確かに今存在していた。
「ーーーいいわ。・・今回はあなたの言葉を
信じて差し上げます」
階段など久々に上る。
多少ぎこちないのを隠しながら、一歩一歩。
ようやく店の前にたどり着いた。
本当に庶民の一般住まいというような木造のそこには、引き戸が一つ。インターホンが一つ。
沖田は慣れた手つきで音を鳴らした。ーーが、
反応はなく。
「留守なのかしら」
もう一度、二度、三度・・沖田は、なぜか連続で
インターホンを押し続ける。ーーそうして、もはや
何度めか数えるのもやめた時分、
「・・・危ねーんで、俺の後ろに」
「え？」
その瞬間、ドタバタと聞こえた、はしたない足音。
数秒後には、
「ーーーーーうるせェェエ！！」
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シュシュ☆☆(プロフ) - ナナさん» ありがとうございました！日々の箸休めにでもなっていれば嬉しいです！どうぞ、これからもよろしくお願いします！ (2017年12月9日 0時) (
レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ピピコさん» ありがとうございます！キャラが濃い夢主ちゃんを書くのが好きみたいです！笑。頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願い致します！ (2017年12月9日 0時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます！真選組は四苦八苦しておりますよ！きっと沖田くんならなんとかしてくれます！笑。頑張ります！ (2017年12月9日 0時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 由梨さん» いつも読んでくださり、ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるような作品を目指します！ (2017年12月9日 0時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！行き当たりばったりな私ですが、どうぞ温かく見守ってくださると幸いです！ (2017年12月9日 0時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュシュ☆☆
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作成日時：2017年11月20日 23時
