言い知れぬストレス ページ14
ー沖田サイドー
頭がいかれているとはいえ、仮にも探偵業を営む奴だ。周囲に害は及ぼさねーだろうという何ともテキトーな意図で解放に至ったわけだが。
・・・いかれた頭はどうにかしたほうがよさそうだ
「何だその手は。斬り落とされてーのかィ」
「握手ですよ!」
友達になりましょう?・・俺と、こいつが?
呆れて嘲笑すら出てこねェ。
差し出された小さな手を見つめ、次にその女の顔に
視線を戻した。
「アホかテメェ。自分しょっ引こうとした警察に
友達申請するか普通」
「昨日の敵はきょ・・___、」
「今日も敵でィ。わかったら帰れ」
第一、そのことわざが適用されるのは、
青臭い高校生の友情だけだろうが。河原で喧嘩後に
「お前やるな」「お前もな」とか何とか認め合う
やつだろうが。手錠かけた側とかかられた側には
どう頑張っても当てはまりそうにない。
「何でですか!どうせ友達いないんでしょ!」
「テメェに言われたくねーんだよ」
柏木Aは、「友達いない同士仲良くしましょ」と
懲りず手を差し伸べてくる。
一体全体俺に何の得があるのだろうか。
そんな俺の心を察してか、そいつはにやりと笑みを
こぼし、声を潜めて囁いた。
「お互いwin-winな関係を築けると思うんです」
「win-win?」
パッと考えてみたところでそんなものは浮かばず。
眉をひそめた俺に、柏木Aは得意げに人差し指を
立てた。
「ーーーあなたの仕事、分担しましょう」
「そりゃまたがっつり私情だねィ」
「何と言われようと構いません。プライドより
仕事ですハイ。」
つまり、あれか。・・こいつは友達のよしみを
利用して、警察の仕事を巻き上げようというのだ。
「ふざけんな。新手のカツアゲじゃねーか」
「でもあなたの仕事は減りますよ。
情報収集なんかも協力できますし、・・ね?」
「却下」
「えー!!」
「つか早く帰りやがれ」
何が悲しくてこんな奴に頼らねばならない。
全力でお断りだ。
取り調べ室から出た後も、執拗に迫ってくるそいつのめげないメンタルだけは賞賛に値するだろう。
門の外までほとんど引っ張るように追い出せば、
そいつは親しげに俺の肩に手を置いた。
「ーーーじゃ、また遊びましょうね三郎」
「・・勝手に名前をつけるな」
この展開、これからどうなるのやら。
友達だ何だと言っておきながら俺の本名すら聞かず
去っていった女に、言い知れぬストレスを
感じたのだった。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!私の好きなタイプの主人公です!笑。迷宮入りしないように見守ってくださると嬉しいです! (2017年10月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!かなり無理矢理感のあるギャグになってしまいましたが、頑張ります!よろしくお願い致します! (2017年10月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 染井芳野さん» ありがとうございます!嬉しいです!最後まで楽しんでいただけると幸いです! (2017年10月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!私結構、蟻好きです!笑。つたない部分も多いですが、お付き合いいただければ嬉しいです! (2017年10月14日 10時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 新作おめでとうございます!事件を担当したら、迷宮入りにしてしまいそうな夢主ちゃんですね笑 私好みの夢主ちゃんです笑 更新頑張って下さい!! (2017年9月30日 0時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月28日 22時