【銀魂】衝突必須の求愛物語

至難の技 ページ7

高い天井まで届く本棚には、様々な資料が並べられている。そんな部屋をまじまじと眺めた団長から、感嘆がもれる。




「へー、すごいネ。古い本がイッパイだ」

「・・・まあ、団長がここに入ることなんて
万に一つもないでしょうね」


「ウンそうだネ。特に面白くなさそうだし」



嫌味のつもりだったんだけど、どうやら彼には
精神的にも肉体的にもダメージを負わせることは至難の技らしい。




「あなた、遊ぶことしか能がないですもんね」

「それは言い過ぎじゃない？傷つくぞ」
「そうは見えませんけど」




ばれた？、と心底楽しそうに笑う団長に
むかっとする。全くもって呑気すぎだろう

最近の春雨の状況としては決して景気がいいとは言えないし、この脳筋兎のせいで、順調に
敵も増えてきている。いつ何時、襲撃を受けるか分からないのだから。


まあ書類に目を通さないこいつには
知れっこないけれど。







「ねえA」

「話しかけないでください一生喋らないでくださいそのままUターンしてこの部屋からでていってください」


「へぇ、案外欲が深いネ。そんなに願い事が
あるンだ？・・でも残念ながら、一つも叶えられそうにない」


「・・・・うっざいんですけども」





本当に本当に、心の底から問いたい。
なぜこいつはここにいるのか。

仕事をするわけでも、本を読むわけでもなく
ただ資料を棚に戻す私につきまとう。


いつも暇だ暇だと駄々をこねている団長だが、
暇つぶしとして、これはいささか理解できない




イライラを振り切るように本棚を見上げる。
ーーーうむ、あそこか。

長梯子を使いよじ登る。
この動作も、もう慣れたもんだ。

難なく収納場所にたどり着き、最後の一冊で、
ぽっかり空いた穴を埋めた。ーーと、その時









「ッ、ーーえっ、・・・、わっ！？」




ぐらり。突如として揺れた梯子がギシギシと
嫌な音を立て始めて、






(・・あぁ、まずい、)





そうだった。ーーこの木造の梯子、古くなって
すでに一部分が朽ちていたんだった。今更、
そんなことを思い出した。・・が、もう遅い。

梯子は、私の体重を支えきることすらできず、
見事なタイミングで限界を迎えたらしい。




揺れた視界が、たちまち天井を映した。
豪華なシャンデリアがぶら下がっている。

浮遊感が体を覆い、とっさに目をつむった。


大丈夫、体だけは頑丈な種族だ。これくらい
大したことない。そう思って数秒_____、

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