【銀魂】衝突必須の求愛物語

害悪退散 ページ27

「・・・臭い」

「着替えたんだケド、・・お前は常人より鼻がいいのかもな」


「バカ言わないでください。嫌いなものには
敏感になるものなんです」





例えば、野菜好きにはわからないほど細かく
刻まれた玉ねぎが入ったチャーハンでも玉ねぎ嫌いにとっては気になって仕方ない、みたいな

普通なら気にならない血の臭いも、苦手な人からすれば鼻が曲がるようなもので。


それでも、これほど気分が悪くなったことは
なかったのだけれど。






「・・あの、いい加減出てってもらえますか。
部屋に害悪をまき散らさないでください」

「もはや悪口だよ、それ」




彼がやれやれというように肩をすくめたのが
見えずとも伝わってきて。それに多少のイラつきを覚えつつも、ーーやばいな、頭が痛い。


目の前も霞だし、団長の足がぐにゃりと歪む。







「ーーーそろそろ、寝たら？」

「誰のせいだと思ってるんですか」




先程より真剣な声が聞こえた。・・どうやら、
鈍感クソ野郎の団長にもわかってしまうほどに
今の私は極限状態らしい。


ーーーけど、こんな奴の前で眠るなんて、
そんな危険な行為できるわけがない。

こいつの前では常に警戒態勢。常に変わらない









(ーーーあぁ、そういえば、)




こうやって、団長とクソみたいに無意味な言い合いをするのは、久しぶりだな。

最近の団長は、私へ執着しなくなっていたし。


こういう不法侵入も、何日ぶりだろう。
それにしては違和感なかったな。

なんか、これが"いつも通り"っていうか。



あれ・・・、でも、それっておかしいよね。
彼が私につきまとわないことに違和感があって
今がいつも通りなんて。・・それ、おかしいよ






「A・・・？」




最後に私の名を呼ぶ声がきこえ、
ーーーぷつり、私の意識はそこで途絶えた。

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