【銀魂】ラ ブ コ メ 脳

お侍様ー夢主サイドー ページ10

月曜とは、どうしてこうもやる気が起こらないのだろう。


ぼーっと頬杖をついて店番をする私には、
みんみんとセミが元気に鳴き盛るのを
聞きながら、レジ机にうなだれた。

夏バテだろうか。今日は、恋愛漫画を読む気にもなれないらしい。


こんなに暑い中、この店まで足を運ぶ物好きも
早々いないだろうし、今日は閉店させて
いいんじゃないだろうか。

道で配っていた無料団扇でパタパタと自身を
仰げば、汗にべたついた前髪が舞い上がった。








「ーーすいやせん、」

「・・あ、」



いらっしゃい、と声をかけた私に軽く手を挙げる青年。中性的で端正な顔立ちの彼は、
見知った仲である。






「久々だね沖田さん」

「そうでもあるめェ。4日前に来たばっかだ」




この人も、常連の一人である。
名を沖田総悟。かの有名な真選組で活躍する
お侍様だ。珍しく、売り買い両方で贔屓にして
もらってるわけだが、ーーちょっと、問題が。






「今日は売りにきたんでィ。・・ほれ、
こりゃかなりのレア物だぜ。普通の本屋じゃ
滅多にお目にかかれねーだろうからな」


「・・沖田さん、それは何」



「ーー"SMの極み、シチュ100選"」




そりゃあ、普通の本屋には売ってないでしょう

なんせこの人の趣味は、ねじ曲がりまくっているのだから。それも手をつけられないほどに。
普段は気さくで話しやすい人なのだが、
平気でこんなものを売りに来るのだから
たまったもんじゃない。

彼が今回売りたいと差し出してきた本も、
表紙からモザイクものである。




「まあ、・・ひとまず預かるよ。今日は無理っぽいから、3日後に料金受け取りに来てね」




値付けの鑑定は、私には無理だ。
こういう時にウメさんが動くのだが、
今日はあいにく眠り込んでいる。

過激な表紙が再び目に入り、即座に視線を
そらした。




「もう！沖田さんももっと別の趣向を試して
みたらどうなの？少女漫画とか」

「そりゃあんたの趣味だろィ」
「面白いの！」

「俺ァ惚れた腫れたにゃ興味ねーんで」




まったく、この人は宝の持ち腐れだ。
もしこのイケメンが、少女漫画でよくあるようなラブコメ的シチュエーションを起こしたと
したら、たちまち女性に囲まれてしまうだろう

ハーレムになれるチャンスを、自ら手放す
なんて、本当にお侍様とはわからない人種だ。


彼の腰で存在を放つ刀を一瞥し、肩を落とした

喧嘩するほど仲がいいー夢主サイドー→←恐るべし

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