貴重な暇つぶし ページ33
先日の雨が嘘のように、今日は大快晴。群青色に染まった空で動く白い雲は、ーー残念ながら、古本屋のレジ机からは見えない。
ただ、外で走り回る元気な子供達の姿をみて、
あぁ今日は晴天だったなぁ、と思い出すのだ。
私の手の中で、空調の風で漫画のページが
一枚めくれていく。頬杖をついたまま、
その様子をぼーっとそれを眺めていた。
・・何か今、一言いうとすれば、
「ーーーひま」
この一単語に限る。
もはや閑古鳥を飼い太らせてしまいそうな
このとんでもない暇さ、どうしてくれよう。
(次のイタズラ、何にしよう)
考えることがあるとすればこれだけだ。
先日の風呂上がり露出度シチュエーションは、
成功したような新たな課題を見つけたような。
仕掛けたのは私だが、結局銀時に敗北して
しまったような・・。
とにかく、完全なる勝利とは言い難かった。
いや、誰と勝負してるわけでもないのだが、
私は銀時に勝った試しがない。
ここはチャンスなのだ。
「ーーーおい、女」
「へ、あ、はい!いらっしゃ____、」
一人でガッツポーズをして気合を入れた私に、
圧力の強い声が落とされた。低く落ち着いた
それの主は、くわえ煙草に鋭い眼光。
見覚えのある黒い制服に身を包んでいた。
「あれ、ーー土方さん」
「総悟の野郎が来てねーか」
鬼の副長、土方十四郎。
一応、沖田さんの上司らしいが、彼がいつも
あまりにもボロクソにけなすので、私には
この黒髪副長さんの、間抜けな印象しかない。
「来てないですけど、・・まさか彼、とうとう
失踪しました?」
「そんなところだ。まあこのまま一生出てこねェってんならそれはそれでアリなんだがな」
「あはは・・」
失踪というより、おさぼりだ。
毎度この店にくるのも、そのため。ーーだが
最近ここにきていることが土方さんにばれて
しまったらしい。来店回数は以前より減った。
この人がこうして沖田さんを捜しにくるのも
今回が初めてでない。
「ーーーったく、忙しい時にあの野郎。
・・邪魔したな」
「あ、待って土方さん!」
「なんだよ!!」
貴重な暇つぶし、逃がすまい。
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シュシュ☆☆(プロフ) - fuさん» いつもありがとうございますっ!銀さんのセリフは書くの楽しいです!笑。ぜひ楽しんで行ってください! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ばぢるさん» ありがとうございます!ご期待に応えられているかわかりませんが…楽しんでいただけるよう、精一杯書かせていただきます! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!読んでくださり、嬉しいです!私の場合、実はコラボネタは扱っておりません…汗)リクエストをいただいたのに申し訳ないです… (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - アルハ*平日低浮上*さん» ありがとうございます!かわいい夢主ちゃん、あまり書いたことがないので心もとないですが、頑張ります!お付き合いくださり嬉しいです! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!最初からほのぼのでかけて楽しいです!更新、頑張ります!いつもありがとうございます! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年7月28日 23時