強者か ページ4
カチャカチャと食器の擦れ合う音が聞こえる我が家の食卓。神楽は、俺たちの喧騒で起こされたのがよほど癪に障ったと見えて、
口元に米粒をつけたまま、ぶつぶつと説教を
垂れていた。
「ーーー大体、何でお前ら毎朝毎朝そんなくだらないことで喧嘩できるアルカ」
「くだらなくないよ!私にとっては、今日1日を満喫するために必要な過程なんだから!」
興奮したそいつが、バンッ、と両手で机を
叩けば、皿の上では目玉焼きが一瞬飛び跳ねた
神楽のコップでは牛乳の白が波打ち、
俺のいちご牛乳のパックが、左右に揺れ動く。
「・・じゃあせめて私を起こさないように
してくれヨ。もう何日だと思ってるアルカ。
私はいつまで早寝早起きで規則正しい小学生生活をおくればいいネ。これじゃ肌が無駄に
ツヤツヤしてくるばかりヨ」
「いやいや、8時起床は早起きじゃないからね
普段が遅起きなだけでしょ神楽ちゃん。
私なんて毎朝6時起____、」
「何か文句でもあるアルカ」
「・・・いえ何も」
もっちゃもっちゃと口を動かし、ひたすら
朝食を食べ続ける俺は、静かに戦況を見守って
いたわけだが、ーーどうやら、この戦いは
神楽の勝ちで幕を閉じるらしい。
わかりやすくしょぼくれた様子で、がっくり
ソファに座り込んだAは、無言のまま
箸を手に取った。
(ーーーよくもまあ、)
毎度同じやり取りを繰り返せるもんだ。
垂れ下がった眉のそいつを一瞥し、
俺はいつものごとく肩を落とすのだった
「・・・だって、銀時と恋人らしいこと、
したかったんだもん」
ぼそり。ーー突然呟かれた言葉に、箸が止まる
思わずそいつを見てみれば、ふくれっ面で
飯をかきこむAに、ぎゅっと胸が
締め付けられた。
「今日、・・仕事場まで送ってってやる」
「ーーえ、ほんと!?」
パッと華やぐ表情に、こちらも自然と頬が緩む
その言葉のやりとりを一部始終見ていた神楽が
とんでもなく白い目をこちらに向けているのに
気づき、誤魔化すようにいちご牛乳を
飲み干した。
「ーー銀ちゃん、ちょろいアル」
「うるせーガキンチョ」
しっかり者ののくせに時たま崩す表情に俺が
弱いことを、まさかこいつは理解しているのだろうか。理解した上で仕掛けてきていると
すれば、強者と呼ぶ他なさそうだ。
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シュシュ☆☆(プロフ) - fuさん» いつもありがとうございますっ!銀さんのセリフは書くの楽しいです!笑。ぜひ楽しんで行ってください! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ばぢるさん» ありがとうございます!ご期待に応えられているかわかりませんが…楽しんでいただけるよう、精一杯書かせていただきます! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!読んでくださり、嬉しいです!私の場合、実はコラボネタは扱っておりません…汗)リクエストをいただいたのに申し訳ないです… (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - アルハ*平日低浮上*さん» ありがとうございます!かわいい夢主ちゃん、あまり書いたことがないので心もとないですが、頑張ります!お付き合いくださり嬉しいです! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!最初からほのぼのでかけて楽しいです!更新、頑張ります!いつもありがとうございます! (2017年8月6日 21時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年7月28日 23時