【銀魂】ラ ブ コ メ 脳

あるー夢主サイドー ページ24

全部、ばれていた。
いや、今ばれた。

すっきりしたような、・・逃げ場を失って
焦っているような。自分でもよくわからない。
・・ただ、そうだ。"逃げ場は失ったんだ"

意を決して息を吸う。






「ーーーで、その、・・不満はあるの？」




上目に見れば、銀時の無表情。何も読み取らせないそれに、私は呼吸もままならない。

この耐え難い雰囲気をごまかすために、ただ
自身の心臓の音を聞く。爆音を鳴らすそれは、
なぜだか、ひどく滑稽に思えた。









「ーーーある」






・・数秒ののち、銀時の口が、そう動いた。

少女漫画なら、「お前に不満なんてあるわけ
ねーだろ？」なんて甘い言葉の一つ二つ吐いて
くれそうなものだけど、銀時にそれを求めるのはおかしい、か。





「・・・ど、こらへん？」




かろうじて紡いでみた。ーーどう聞こえてるんだろうか。ちゃんと冷静に聞こえてるかな？
それとも、震えがばれてるかな？


またしても、すぐには返答がなかった。

ーーその代わり、銀時が向かい側のソファを
立ち上がったことだけはわかった。そうして
こわばった私の隣へ、静かに腰掛けて。




次の瞬間には、そっと肩を抱き寄せられた。




頬をくすぐる銀色の癖っ毛。耳に近づいた彼の
唇が、・・ぼそりと動いた。






「ーーー・・そうやって、俺の知らねーとこで
他の野郎とコソコソするとこ」

「え、ちがっ____、」



コソコソしてるつもりはなかったのだ、と。
そう伝えよう思ったけれど、・・叶わなかった

ぶっきらぼうな口調とは裏腹な、ーー優しい
キスで、唇が飲み込まれてしまったから。



熱が伝わった。・・なんだか久々だ。






(ーーーあぁそうか、)


ここ数日、銀時の顔色ばかりうかがっていた気がする。彼に心から見てなかったからだ。

ゆっくり離れていった彼を名残惜しく思いながら見つめれば、・・・ニヤリ。見慣れた笑みが
返された。




「理解したか煩悩頭」


「・・しま、した」
「ーーーならよろしい」





沸騰しそうな私に対し、涼しい顔で向かい側の
ソファに戻った銀時は、「飯、再開すっぞ」と
すっかりいつもの口調だ。







(・・・ずるいなぁ、)



これじゃ、拍子抜けじゃないか。
私の悩んでいたことが、ちっぽけに見えてくる

いつのまにかすっきりした胸の内を感じながら
私も箸を握り直した。

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