【銀魂】ラ ブ コ メ 脳

助かるばかり ページ23

「え？怒って・・」




こいつは、いつもわかりやすい。
安堵しきっていた表情が、泣きそうなものに、変わっていった。ーー俺が変えた。

こうなるとわかっていて、あえて言ったのだ。


このモヤモヤ、Aには、はっきり口に
出さなきゃ伝わらねェ。





(ーーーほんと、沖田君の言う通りだわ、)




溢れた苦笑はそのままに、早くも潤んできた
瞳のAに、机一つ挟んだまま、向き直る。







「お前、俺に言えねーようなこと沖田君に
相談してんだろ？」

「え！？・・そんなこと、」


「少なくとも、俺に言い渋ってただろーが」




今日、そして様子がおかしくなる数日前。
きっとこいつは、あの野郎と話をしたのだ。






「私が銀時に言わないから、怒ってるの？」

「そうなるな」




うっ、と呻くA。まっすぐ見つめてやれば
小さく視線をそらされた。ーーが、すぐに、
チラリ。俺を伺うそれ。





「・・・話したら、許してくれる？」

「内容によるな」
「えぇ！？」




少なくとも、こいつは俺との今のギクシャクを
改善したいらしい。その時テレビから聞こえてきた、"浮気を許すか許さないか問題"に
Aが反応した。ハッとした後、「浮気じゃないからね！」なんて、前のめりになる。





「なら、何だよ」

「・・そ、れは、ですね」




一つ深呼吸したAが、顔を上げた。







「ーーーケ、ケンカップル！！」

「・・・ハ？」



実は沖田君が好き、だの、別れたいの、だの
ーーそんな最悪な結末を予感させる言葉を
想定していた俺は、あまりにかけ離れた言葉に
間抜けな声が出た。

ケンカップルって、
それこそ、ラブコメじゃねーか。





「不満があれば、遠慮なく言い合えるのが、
本当の恋人で。・・つまり、ケンカップルって
お互い何でも言い合える仲なんだなぁって」



私たち喧嘩したことないじゃない？と。
この問いかけは俺に対してのものか。
条件反射で頷きをかえす。




「沖田さんが言ってたの。相手への不満を
溜め込んでたら、いつか限界がくるって」





ーーあぁ、なるほどな。

ここまで聞けば、もうわかる。
こいつの無駄に純粋な思考では、こういうことに陥りがちなんだろうな。





「んで、・・俺に不満があるか聞こうとしたが
俺の答えを想像しちまったら怖くなった、と」


「え・・！？・・すごい！エスパー！？」
「お前の脳みそは回路が一本だもんな」




読みやすいのは、俺的には助かる限りだが。

あるー夢主サイドー→←不安なのは、

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