【銀魂】ラ ブ コ メ 脳

抗争の結末 ページ2

炊き立ちの白米からのぼる白い湯気、卵焼きとウインナーが乗った皿から香るいい匂いが、朝一番の空腹をくすぐっていた。





「ーーーー私が、"起きて！朝だよ！"って
いうでしょ？」


「・・あぁ」

「それでも起床を渋る銀時の口に、私は小さく
キスを落とすの」


「・・・・」

「驚いて目を開いた銀時に、いたずらっ子の
ごとく笑みをこぼす。ーーはいこれ完璧！」



「・・・・・・ナルホド」




わかるだろうか。朝の一部始終と会話を、
ラブコメ的要素満載に決められてしまう気持ちが。飯を目の前にして、いまだ箸すら握れない
この地獄のような状況が。





「銀時？ちゃんと聞いてるの？」

「あーはいはい、キイテルキイテル」
「はい棒読みィイ！ウインナー1本お預けね」

「あっ！テメッ！！銀さんのウインナーを！」

「朝から下ネタ禁止！」
「下ネタじゃねーよ！！」




万事屋にやってきた新しい従業員は、名を
矢継A。ーーそうして、俺の恋人でもある


家計のやりくりから、洗濯炊事何でもござれの
有能主婦。ツラ、スタイルも申し分ない。

・・・が、一つ厄介な欠点が、このやりとりだ






「お前なぁ現実を見ろ現実を！そんなアメリカンな朝を送ってるカップルなんざいねーんだよ！アメリカ人にもいねーの！わかる！？」


「いつまでも理想を持ち続けるのが、若くある
秘訣なの！！だからあんたは間抜けヅラなのよ！！」

「誰の顔が間抜けヅラだ煩悩頭！」




穏やかな朝が一転。終わりの見えぬ言い争いは
互いに譲るということを知らず。ぎゃーぎゃーと喚きをぶつけ合う。








．









「ーーーテメェらいい加減にしろヨ。私がまだ
眠ってるデショーガ」


「「すみません・・」」





バゴン、という鈍い音とともに部屋を仕切る
襖がぶち破られ、寝癖をつけた神楽が不機嫌な
声でこうして文句を垂れるまで、ーー俺たちの
抗争は続くのだ。

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