【銀魂】的中率20%

スピリチュアル ページ40

「ーーねぇAちゃん、今呪い殺したい相手とかいない？」

「・・・へ？」

「新しく効果的な呪詛を見つけたの」

「・・・へー、」




二種類の「へー」を使いこなす私。

その横で熱く呪詛について語るのは、
私の新規バイト先。スピリチュアルな品を
売りとしている店のオーナーだ。
歳は2歳ほど上だろうか。

いつもそんな話ばかりするものだから、
スピリチュアルじゃなくて呪い系統を専門としてやっていけばいいのにと思う。






「・・あの、オーナー、つい最近水晶玉が
いかれちゃいまして。今は直ったんですけど
そんなことあると思います？やっぱ寿命ですかね？」


「あなたのあの水晶玉？」

「そうです！先日、日課である自己占いを
したところ、何も映してくれなくて」




まあメリットとしては、こうしていろいろ
相談できるというところだろうか。

その人は、ふん、と一瞬鼻を鳴らして。






「ーーーAちゃん、相変わらず馬鹿ねぇ」

「え！？」



突如としてけなされた。
小さく笑みを漏らしたオーナーは、





「すばり、ーーそれが"答え"なのよ」

「・・・それが、って、・・何がですか？」



「だーかーら、"映らなかった"ってことが、
答えなのよ」




頭の悪い私には理解できないことを
述べたのだった。ーー"映らなかった"ことが
答え、とは。





「・・つまりその時のあなたは、何も知らない
状態のほうが上手くいくはずだってことだったのよ、きっと」


「・・・ほう！」




そういえば____、なんて考えてみる。

水晶玉が何も映さなかったことにより、
私はあの時、気分転換をかねてひとまず外に
散歩に出かけた。・・そこでお巡りさんに
連行されて、結果的に、坂田さんに助けて
いただいたんだっけ。


ーーーそこから、私のあの人への意識は
前よりずっと強くなって。







「・・まさか」

「そのまさか、よ」




その全てが水晶玉の策略だったということか！
そういうことなのか！

何ということだ。私の相棒は、・・実はとんでもない策士だったということか！！！！






「そういうパターンもあるということですね！
自分の意思、気分によって行動した方がいい時
が、あるということですね！」


「あなた、何年占いに携わってるの？
しっかりしなさい」


「ありがとうございますオーナー！」




よかった。水晶玉と喧嘩したわけでは
なかったのだ。・・まあ、そんなことした覚えも、する手立てもないわけだけれど。

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